2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel ultra-fast gamma-ray detection method based on electro-optic effects
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18K18772
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
国分 紀秀 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (50334248)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 放射線検出器 / ガンマ線 / 電気光学効果 / 超高速検出 / レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
本提案ではフェムト秒オーダーに至る超高速応答性をもった革新的なガンマ線検出器の実現に向けた先駆的探索として、電気光学効果を持つ物質とガンマ線との反応を可視光帯域のプローブレーザーによって検出する原理実証実験を行った。電気光学効果は、物質の内部電場の強さに応じて複屈折率の変化を示す現象であり、ガンマ線が電気光学素子の内部で反応した場合には、生成された2次電子群による内部電場の局所的な変化に応じて、複屈折率も微小な変動を示すことが期待される。そこで、可視光帯域のレーザーをプローブとして電気光学素子に入射しておき、その強度・集光位置・偏光面などの時間変化を検出する測定系を構築することで放射線検出が可能であるかを検証した。 大きな電気光学係数とガンマ線に対する高い阻止能を併せ持った電気光学素子としてビスマスゲルマニウムオキサイド(BSO)を選定し、光学軸に対してカッティングした上で、異なる2方位から反射防止コーティングと電極蒸着を施し、光学アライメントが可能な台座にマウントすることで検出素子を製作した。プローブレーザーとしては波長633nm の He-Neレーザーおよび600-800nm範囲の半導体レーザー数種類を用い、光学系のコンフィグレーションとしては、二重の偏光素子で挟んだ直行ニコル系を始めとする複数のパターンにおいて、実際に放射線検出が可能であるかどうかを検証した。その結果、まず十分に放射線強度が高い状態を励起用レーザーで模擬した場合であれば有意に検出が可能であることを確認し、原理実証を行うことができた。さらに宇宙線のような荷電粒子が素子内を通過する信号を、同時計数法によって素子外部からトリガすることでイベントごとの検出可能性を試み、将来的に高感度の検出器を開発する際の定量的な指針を得ることができた。
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Remarks |
新型コロナウィルスのため、発表予定だった国際会議が次年度に延期となった。
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