2020 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of biological components using CO2 fluid in simulated hadean hydrothermal system
Project/Area Number |
18K18783
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤島 皓介 東京工業大学, 地球生命研究所, 准教授 (00776411)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
Keywords | 二酸化炭素流体 / 核酸前駆体 / 高圧環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画に基づき、最終年度では二酸化炭素流体と水の二相構造が存在する環境において異なる条件(温度、圧力、金属イオンの有無など)でアミノ酸さらにはRNAに関連した前駆体有機分子(塩基、五炭糖、リン酸)を反応させ、生成物・分解物を分析しヌクレオシド/ヌクレオチドの合成の有無を高速/超高速高分離液体クロマトグラフ(HPLC/UPLC)、液体クロマトグラフ-質量分析装置(LC-MS)で分析する予定だった。しかし新型コロナの影響によりラボを使用できない期間が生じるなど、当初予定していた実験の一部のみ実施した。 実際に今年度行った実験内容としては、まず計4種類の核酸塩基(アデニン、シトシン、ウラシル、チミン)とD-リボースの反応によるヌクレオシド合成を試みた。1種類の核酸塩基とリボース組み合わせで超純水に溶解後、小型高圧リアクター内に封入し、液体CO2を注入して40℃、10MPa、1時間でインキュベーションを行い、生成物をHPLCで分析したが、いずれの組み合わせにおいてもヌクレオシドの標準品に対応するピークは検出されなかった。そこで次に6種類(アデノシン、グアノシン、シチジン、チミジン、キサントシン、イノシン)のヌクレオシドとリン酸塩の組み合わせからCO2流体存在下でヌクレオチド合成の有無を確認した。ヌクレオシドを1種類ずつリン酸塩と混ぜて超純水に溶解後、60℃、7.3MPa、24時間インキュベーションし、反応産物を(UPLCで分析した。その結果、アデノシンとリン酸塩の組み合わせにおいて、複数のピークが新たに検出されたため、標準品との比較及びLC-MSによる分析を実施したところ、極微量(合成量0.1%程度)のアデノシン一リン酸が検出された。合成量としては非常に少なくコンタミネーションの可能性も考えられることから、合成量を増やすような条件検討と追加実験が望まれる。
|
Research Products
(1 results)