2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K18787
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
白石 史人 広島大学, 理学研究科, 助教 (30626908)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | マンガン団塊 |
Outline of Annual Research Achievements |
深海底で形成されるマンガン団塊・マンガンクラストの成因を理解するため,南太平洋の深海底から採集されたマンガン団塊に生息する微生物の検討を行った.ただし,マンガン団塊試料は非常に量が限られているので,試料ロスを極力抑えるために三瓶温泉のマンガンクラストを用いて予備実験を行った.まず既設の共焦点レーザー走査顕微鏡に639 nmレーザーを導入し,三瓶温泉のマンガンクラストに対して,Cy5標識プローブを用いたFISH法とSYBR Green Iによる核酸染色を同時に適用し,共焦点レーザー走査顕微鏡を用いた微生物検出法を確立した.また,三瓶温泉のマンガンクラストの形成について,微生物による直接・間接プロセスおよび非生物的プロセスの相対的寄与も評価した.その結果,マンガン酸化細菌・真菌による直接プロセスと,藻類などによる間接プロセスの寄与が非常に大きく,非生物的プロセスの寄与は非常に小さいことが明らかとなった.このことは,天然環境に見られるマンガン酸化物の形成に微生物が重要な役割を果たしていることを示しており,それはマンガン団塊にも当てはまる可能性がある.この成果に関しては,日本地球惑星科学連合2018年大会において発表し,現在国際誌に論文を投稿中である. また,南太平洋で採集したマンガン団塊の周辺に見られる遠洋性粘土中に,直径数ミクロンの鉄マンガン酸化物微粒子「微小マンガン粒」が存在することを発見し,その成果を論文として国際誌に発表した. 以上の予備実験の結果を踏まえ,マンガン団塊試料の検討を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,マンガンクラスト試料を用いた予備実験を終え,マンガン団塊試料の検討に取り掛かっている.また,研究開始当初には予想していなかった成果も得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
マンガン団塊に対して,本年度に確立した微生物検出法を適用し,団塊中のアーキア細胞の存在位置を可視化する.集束イオンビーム加工装置により,アーキア細胞周辺から超薄片を作成し,細胞表面にMnO2が存在するか観察する.また,次世代シーケンサーによるメタゲノム解析も行い,マルチ銅オキシダーゼにマンガン酸化能を有するものが含まれるか探索する.
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Causes of Carryover |
本年度は次世代シーケンサーによる分析まで進められなかったため,次年度使用額が生じた.次年度は,当初の予定通り次世代シーケンサー使用料として支出する予定である.
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Research Products
(5 results)