2019 Fiscal Year Research-status Report
微小球共振原理を用いたマイクロスケール3次元形状標準計測の原理確立への挑戦
Project/Area Number |
18K18803
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
道畑 正岐 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (70588855)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 哲 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30283724)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
Keywords | Whispering gallery mode / 光共振 / 標準計測 / 微小球共振 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、直径1mm以下のマイクロ球の直径を10nmの精度で計測することを目的としている。そのための手法として、Whispering gallery mode共振を用いた手法を提案している。本手法は、球円周の測定を基にした直径計測手法である。球表面に沿って伝搬する光の波長の整数倍が光路長となり、屈折率を乗算することで円周長が推定できる。この整数倍となるモード番号の推定が本研究の肝となる。これまでの研究から、WGMのどのモード番号が励起されるかは、光を導入する光ファイバー直径(すなわちファイバー内の光の伝搬定数)に大きく影響を受けることがわかっている。そのため、本年度は光ファイバーの直径をWGM測定装置内で計測できるよう、新しい計測手法の提案を行った。光ファイバに平行光を入射し、その散乱光分布からファイバー径が測定できる。本手法はその精度向上を目指し、理論値とのフィッティングを用いることで数10 nmの精度で計測できるということを示した。 また、モードの推定手法開発を行った際に、その推定が正しいのか否かは判断が難しい。本研究では、WGMの光強度分布近接場プローブを用いて測定することでモード番号推定の正当性を検証するべく、その装置開発を行った。現在の装置は、小型化を目指したためやや剛性が低いことがわかり、またドリフトの影響も受けやすいことがわかった。今度はさらに装置を開発し、近接場プローブによる測定を実現する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光ファイバーの直径計測手法が確立され、高い角度でモード番号を推定することが可能であった。それによって、今後より正確なスペクトル解析(モード解析)実現することができる基盤技術となる。また、SNOMプローブを用いた装置開発も順調に進み、今後は測定装置を用いた電場計測によるモード解析の精度を検証することが可能である。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに構築した計測装置を用いて、微小球のWGMを測定、そのWGM共振波長スペクトルからモード解析を行い、屈折率の自立補正法について検証を行う。また、広範囲なスペクトルを測定することで球の真球度測定を実施する。
|
Causes of Carryover |
本研究遂行に必須な計測サンプル(高真球度を持つマイクロ球体)は、購入困難であるため、二酸化炭素レーザを用いて光ファイバー(石英ガラス)を溶融・球状化する手法で自作している。しかし本年度、二酸化炭素レーザが故障し、 レーザーコントローラのメーカとやり取りに時間を要したため修理に時間がかかり、当面実験を遂行することができず 、研究計画に遅れが生じた。
|
Research Products
(10 results)