2018 Fiscal Year Research-status Report
A new concept of the formation process of boundary lubrication films
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18K18813
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| Research Institution | University of Hyogo |
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Principal Investigator |
鷲津 仁志 兵庫県立大学, シミュレーション学研究科, 教授 (00394883)
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| Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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| Keywords | 境界潤滑 / 分子動力学 / 固液界面 / 防錆剤 / 極圧剤 / マテリアルズインフォマティクス / 京コンピュータ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
（1）複数種類の添加剤および基油について検討するためのユニバーサルな方法論を確立については，油性剤について原著論文を発表し，境界潤滑油膜の物理吸着初期過程の解析について，スタンダードとなる解析手法として提示した．これのみならず，極圧剤についても同様の手法が有効であることを示した．リン系極圧剤は，表面において特徴的な物理吸着構造を作ること，それが強い官能基間相互作用によることを示した．このことは，吸着前の基油中における会合体の形成においても，油性剤と極圧剤で異なることを示した．また，複数種類の極圧剤について検討している．この結果から，通常は水中において議論されるコロイド学の方法が，油中においては異なること，油中におけるコロイド学の創成が必要であることを示した．（2）金属面との相互作用の詳細検討のための反応力場を用いた化学吸着プロセス手法については，銅酸化防止添加剤について反応力場を用いた解析を実施し，酸化銅および銅を有するハイブリッド表面において選択的吸着が生じることを示した．これまで，銅酸化防止剤については精密な量子化学計算は行われてきたものの，分子集団の吸着という観点からは研究が行われてこなかった．これについて，原著論文を投稿し，受理され，現在印刷中である．（3）吸着ダイナミクスの理解のための解析手法の深化，については，(2) の化学反応を伴う系に関して，固体表面の電荷移動，吸着分子の分極率の変化に関する解析，吸着部位の解析，配向の解析など，新規解析手法を提案した．（4）連携研究グループから提供された実験結果に対応する大規模実証計算，については，高分子系の材料について京コンピュータを用いた解析を実施し，（5）MIによるオイルと添加剤の最適組成の探索，と併せて有機系ソフトマターのMI の適用性について検証を実施し，初期的な成果を得た．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
極圧剤の解析においては，油性剤と異なり基油中において会合体を早期に形成するという新しい知見を得ることができた．また，防錆剤については，これまで知られていなかった選択的吸着機構を分子レベルではじめて解明した．この成果に関して，学会賞を4回受賞している．また，京コンピュータのトライアルを実施することができたため，マテリアルズインフォマティクスの初期的な成果を得ることもできた．
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は，極圧剤に関してより広範な解析を実施し，物理吸着の学理を明らかにする．せん断下，弾性流体潤滑下など複雑かつ動的な状況における挙動についても調べる．また，大規模実証計算を境界潤滑油膜について実施し，プロセスを含むマテリアルズインフォマティクス解析の可能性について検討する．
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| Causes of Carryover |
年度末において，出張を取りやめたため．
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Research Products
(22 results)
