2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of high precision PSP method using structured illumination
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18K18822
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松田 佑 早稲田大学, 理工学術院, 准教授(任期付) (20402513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江上 泰広 愛知工業大学, 工学部, 教授 (80292283)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 感圧塗料 / 構造化光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,感圧塗料(Pressure-Sensitive Paint; PSP)計測法における圧力計測の高精度化を実現することを目的としている.PSPは感圧性のりん光分子とそれを模型表面に固定するためのバインダー(高分子膜,陽極酸化被膜)から構成される.PSPに励起光として青色・紫外光を照射するとりん光分子からりん光が発せられる.この発光強度は圧力に応じて変化するため,発光強度の強弱分布の計測を通じて圧力分布を計測できる.従来のPSP計測では,空間的に一様な光を照射することでPSPを励起させて計測を実施していた.これに対し,本研究では,励起光に空間変調をもたせた構造化光を利用する.すなわち,構造化光に同期したPSP信号を効果的に抽出することで,計測の高精度化を目指している. 新しいPSP励起システムとして,デジタルミラーデバイス(Digital Mirror Devise; DMD)を用いた励起光システムを開発した.具体的には,以下の項目を実施した.まず,ターゲットとする圧力範囲において優れた圧力感度を示し,かつ光安定性の高いりん光分子を選定し,このりん光分子に合わせたバインダーを選定した.また,このりん光分子を励起するのに適した波長を有した光源を準備し,波長に合わせたDMDを用いて構造化光の形成を行った.構造化光によってPSPを励起発光させたところ,デザインした構造をもつ光パターンの形成(例えば正弦波状のパターンなど)を確認し,また計測に十分な強度をもったPSPの発光が確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに研究が進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,構造化光励起下におけるPSP発光強度の効率的な抽出法に関するアルゴリズムを構築し,その有効性を確認する. その後,研究の最終段階として開発したPSP計測システムによって圧力分布計測実験を実施する.まずは簡単な例として,PSPを塗布した壁面へ噴流を衝突させ,その噴流によって生じる圧力分布計測を実施する.その後,実際の風洞実験における圧力分布計測を実施する.これらの圧力分布計測実験においては,模型上に圧力孔を設け,それらの圧力孔での圧力値とPSP計測値の比較を行うことで計測能の検証を行う.噴流衝突実験は実験室レベルで繰り返し実験が可能であり,まずはこの実験によって問題点の抽出と改善を実施する.その後,風洞実験において本手法の有効性を示す.
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Causes of Carryover |
実験を実施する中で、購入予定としていた色素分子の再検討を実施することとなったため。次年度において色素分子の再検討を実施し、選定色素にあわせて光学部品の購入を行う。
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Research Products
(2 results)