2019 Fiscal Year Annual Research Report
Self-organized criticality in micro- and nano-flow field generations
Project/Area Number |
18K18825
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土井 謙太郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (20378798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 聡恭 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (00250837)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 分子流体力学 / 自己組織化の臨界現象 / マイクロ・ナノ流動 / 微小電流計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,原子・分子の相互作用と自己組織化の視点から流動場形成メカニズムを究明することを目的としている.溶媒に分散する溶質(原子,分子,イオン)の運動により,系全体の流動が誘発されるメカニズムについて,微細構造を観察するとともに理論的考察を深め,現象の本質を明らかにする.離散粒子の運動を非平衡統計力学の枠組みで定式化し,自己組織化臨界現象の観点から秩序形成のメカニズムについて学理の構築を目指す.本研究の結果から,生体現象を模倣するバイオミメティクス,エネルギー変換,新奇な流体駆動原理の創出につながる萌芽的な研究課題に挑戦する.
令和元年度は,マイクロ・ナノ流路における個々のイオン輸送現象が協奏してイオン電流となって検知されるメカニズムを明らかにするための計測を行った.特に,マイクロ・ナノスケールの空間では,液中のイオン分布は,流路壁面の帯電の影響を受けて,その対イオンの輸送が支配的になると考えられる.その結果,イオン電流の計測結果には,壁面の影響を受けた対イオンによる電流が観測される.本研究では,2つのリザーバに濃度の異なる電解質溶液を充填し,それらをナノ流路で接続したときの電流電圧特性を調べ,イオン電流に向き依存性が現れることを確かめた.その結果,リザーバ間のナノ流路を介してイオン電流が整流されていることが示され,つまり,流路壁面が負に帯電していることからナノ流路内部では陽イオンの輸送が支配的となっていることが確かめられた.また,流路形状や濃度によっては,時間の経過とともに整流作用が失われることが確認され,液中において単極のイオンが支配的に輸送される条件について考察した.
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Research Products
(4 results)