2018 Fiscal Year Research-status Report
過熱状態崩壊を引き起こす超流動2次元乱流機構の解明
Project/Area Number |
18K18827
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
高田 卓 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (30578109)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 正秀 筑波大学, システム情報系(名誉教授), 名誉教授 (40111588)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
|
Keywords | 可視化 / 超流動ヘリウム / 過熱状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
超流動ヘリウム中の狭隘流路中の過熱状態の崩壊の萌芽である過熱He I流動についての可視化を実現するため、可視化クライオスタットの整備、チャンバーの作成、光学系の構築を行った。超流動ヘリウム用可視化窓付きクライオスタットは古くからある既存の装置を再活用する物であり、低温リーク等の問題を解決する必要があり、これらの整備が行えた。また、可視化用の微粒子の選定を行った。微視的な観察をする光学系であるため、複数の粒子候補の中からシャドウグラフ法による粒子判別を可能とする為には当初よりも大きな中空ガラスビーズを選択した。また、可視化流路についても1㎜の当初の計画よりも幅の広い流路を選択、製作した。 一方で、飽和He II中の過熱He I 状態の可視化を温度観測と同時に行うために鏡面加工した銅表面に金メッキを施した特殊なヒータを製作した。真空層をもち、ヒータ面の温度計測可能であり、かつ熱のリークがない系であると共にヒータ面自体がミラーの役割を果たすものである。これにより、先行研究ではバラバラにしたデータのなかった実験を同時に実施することが可能となる。 また、これまでのガラス平行平板流路内に参加インジウム膜ヒータを設置した流路における系での可視化結果と、可視化をしていない銅ブロックヒータにおける実験結果の比較も、それぞれの先行研究を実施していた者を一堂に会し、可視化画像の物理的な解釈について議論を重ねた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
既存のクライオスタットの再活用に伴う、低温リーク対応などに多くの時間を費やし実験のプラットフォームの整備が思うように進まなかったため、計画に遅れが生じた。実験装置の各要素については準備が進んでおり、2019年度については実験遂行が可能になっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年度に準備を進めた各要素をもちより、超流動ヘリウム中における可視化実験に注力して計画を推進する。 課題を抱える十分に光学的に明るい像を撮影できていない点については、新たにレンズを追加すること、当初計画よりも大きなトレーサ粒子を選定、これに合わせた流路の作成によって対策を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
実験計画の遅れにより、実験遂行回数が計画に比べ減ってしまったことにより、それに伴う消耗品の出費が減った。また、実験結果を精査したうえで改良を加えて製作する光学系や流路の制作費についても実験遂行が遅れたことに伴って、次年度に繰り越すことになった。
|