2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K18831
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
渡辺 哲陽 金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (80363125)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 摩擦制御 / 摩擦可変 / 表面テクスチャ / ロボット / ロボットハンド / マニピュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
ロボットが扱う対象は“乾燥”していることが暗黙の前提であったが,実際には,食品,台所用品,工業用部品,臓器など液体にまみれている物体も数多く存在する.そこで,濡れていても乾燥していても安定把持が可能なシステムを目指し,ロボットハンド用皮膚テクスチャを開発した.そこで得られた知見をもとに,本研究では,表面のテクスチャや液膜を上手く活用して,表面摩擦を操ることで,物体把持・放出を実現する新しい物体把持の方法論の確立にトライする.平成31・令和元年度は,昨年度開発した乾潤両状態で高摩擦を得られる表面構造(テクスチャ)と,潤滑作用を利用した摩擦低減機構を組み合わせ,能動的に摩擦を低減できる流体指をベースとした,3本指から構成されるソフトロボットハンドシステムの開発を行った.流体指では,剛性が低いため,つかむ対象が限られてしまうことを踏まえ,本体がシリコーンゴムで作成された指を新たに開発した.潤滑剤を滲出させる機能を付加するため,指中央部にチューブを通した.シリコーンゴムの座屈現象を活用して指の関節にあたる部分を構築した.以上の構成により一体型の指を実現した.指の開閉は,指側面部にワイヤーを添わして,ワイヤーをけん引することで実現した.指の腹と背に昨年度開発した乾潤両状態で高摩擦を得られる表面構造(テクスチャ)を張り,中央の流路を辿って潤滑材が指先端から出る構造にすることで,摩擦低減機構を作用させた.高摩擦と低摩擦が実際に実現できるかについて実験により検証を行い,その有効性を確かめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乾潤両状態で高摩擦を得られる表面構造(テクスチャ)と,潤滑作用を利用した摩擦低減機構を組み合わせ,たシステムを搭載したロボットハンドシステムを実現させることができたため,
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Strategy for Future Research Activity |
令和二年度は,開発した乾潤両状態で高摩擦を得られる表面構造(テクスチャ)と,潤滑作用を利用した摩擦低減機構を組み合わせ,たシステムを搭載したロボットハンドシステムを使って,種々の物体把持や操りを実現することに挑み,開発したシステムの有効性について検証する.また,どのような濡れ,どのような素材について適応可能か?など,全ての場合について機能を検証していないため,より様々なケースにて本システムが有効であるかどうかを検証する.テクスチャの最適化についても検討する.
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Causes of Carryover |
接触状態をより精密に観察して分析し,摩擦制御に役立てるためのセンサシステムを構築しようとしており,その選定に時間がかかったため.また,新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け,予定していた出張が全てキャンセルとなったため.
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