2018 Fiscal Year Research-status Report
Single cell analysis using microfluidic chip with optical manipulation and measurement
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18K18834
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丸山 央峰 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (60377843)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | マイクロ・ナノメカトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,搬送を1064 nm,加熱を808nm,可視光による蛍光環境計測,と複数の機能を異なる波長の光により可能とする光環境センサを作製し,光環境センサの選択的細胞導入手法の確認に成功した.光環境センサは,直径1 umのポリスチレンビーズに,温度感受性を有する蛍光色素のRhodamine B(蛍光波長580 nm),808 nmの光を選択的に吸収する近赤外吸収剤のFDN-002で導入することで作製した.ポリスチレンビーズの屈折率は1.6と水(屈折率:1.3)より高く,1064 nmのレーザで光ピンセットによる操作が可能である.作製した光環境センサについて電気抵抗ナノパルス式の粒径分析器のqNANOでサイズを計測したところ,平均粒径0.98 um,標準偏差0.1 umの粒径分布が得られた. 作製した光環境センサの波長による吸収特性の違いを評価した.厚さ150 umのガラス製マイクロ流路に808 nmおよび1064 nmの赤外吸収剤の濃度を変えた染色液を導入し,各波長の吸収率を評価した.結果は,1 mg/mlの際に808 nm,1064 nmの吸収率はそれぞれ85 %,1 %とレーザ吸収の波長特異性が確認された.また,808 nmレーザ照射時の光環境センサの加熱実験を行った.この光環境センサの温度感度は-1.4 %/℃である.10 mWでは温度上昇が確認できなかったが,40 mWにおいては,60秒の加熱で約27℃の温度上昇が確認された.実験環境は37℃であり,従来研究で得られた細胞導入に必要な60℃以上への加熱が可能であることを確認した. この光環境センサを.1064 nmのレーザで搬送後,808 nmのレーザで約10秒加熱することで,細胞内へ光環境センサ導入に成功した.光環境センサが細胞内に導入されているとともに,導入された細胞の生存が確認され,提案手法の有効性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
異なる波長の赤外光で光環境センサの操作および加熱を選択的に実行でき,可視光の蛍光を用いて環境計測が可能センサの作製と機能動作を確認でき,また本光環境センサを用いて細胞内導入に成功したため,概ね順調に成果がでていると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度では,搬送,加熱,計測の複数の機能を,異なる波長の光を用いて同一の光環境センサで実現する手法の有効性を確認した.今後はセンサのサイズ分布,1064 nmによる操作特性,808 nmによる加熱の評価を行うとともに,光操作によるセンサの選択的細胞導入ついて,細胞導入時間,導入成功率,細胞生存性等の定量的な評価を行う.
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