2019 Fiscal Year Research-status Report
Fast optimization of rotating machines realized by coevolution of topology optimization and deep learning
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18K18840
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
五十嵐 一 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (90212737)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | トポロジー最適化 / 深層学習 / 転移学習 / 永久磁石モータ |
Outline of Annual Research Achievements |
電気自動車の駆動モータを始めとする回転機の設計では,複雑な相関を持つ多数の特性量に関する仕様を満足しつつ,限られた時間内で性能を最大化しなければならない.トポロジー最適化は寸法等を変数とする従来法とは異なり,穴の生成消滅を含めて機器形状を自由に変形し,目的の仕様を満たす機器構造を探索する.トポロジー最適化により,性能要求を満たす新しい回転機構造を発見できるため,研究者のみならず産業界から注目が集まっている.しかし電気機器のトポロジー最適化には膨大な回数の電磁界有限要素解析を伴うため,実行に数日~数週間を必要としており,これが実利用の大きな障害となっている.本研究はトポロジー最適化の計算時間を大幅に短縮するために,深層学習を導入する. 本研究では,深層学習により遺伝的アルゴリズムに基づくトポロジー最適化の高速化するために,学習フェーズで深層学習機を構築し,最適化フェーズで深層学習機によりすべての個体のトルク特性を予測し,上位の個体のみ有限要素法で正確にトルク特性を解析する.これにより,有限要素解析の実施回数を大幅に減らせるため,トポロジー最適化に要する計算時間を削減することができる.本年度は特に,平均トルクやトルクリプルの実数値を出力する回帰型の深層学習機を開発し,それによりトポロジー最適化の高速化が実現できるとを示した.また多目的最適化にも本手法が有効であることを示した.さらに,学習フェーズにおいて一般画像データを学習済みの深層学習機を用いるより,他のモータデータを学習させた深層学習機の方が学習を効率的に行えることを示した(転移学習).これらの研究成果を2019年7月にパリで開催された国際会議COMPUMAGにて発表するとともに,国際学術雑誌IEEE Transactions on Magneticsの3本の論文として出版した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初計画していた分類型深層学習機の構築に加え,実数値を出力する回帰型深層学習機の構築および転移学習を用いた深層学習機を構築できたため.またIEEE Transactions on Magneticsに論文掲載された本研究成果は,これまで掲載された論文から選ばれる注目論文popular paperの5位となった.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で,深層学習機によりトポロジー最適化を実際に高速化できることを示せた.今後は高速化されたトポロジー最適化により学習用データを多数生成し,このビックデータを用いて深層学習機の識別能力を向上と汎化を行う.これにより,さらに広い範囲の永久磁石モータの性能を断面形状から予測できるようにする予定である.
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Causes of Carryover |
廉価な航空券を購入するなどの効率化により,旅費を予定額よりも抑えた.このため次年度使用額が生じた.
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