2019 Fiscal Year Annual Research Report
Lock-in detection beyond the quantum limit based on the delayed interference of squeezed light and optical pulses
Project/Area Number |
18K18847
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小関 泰之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60437374)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | バランスド検出 / 量子光学 / 顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ロックイン型非線形光学顕微鏡への応用を狙い、量子限界感度を超える光パルスのロックイン検出法を新規提案し、本手法の超低雑音性を実証することであった。近年、非線形光学効果とロックイン検出を用いる高感度・高速観察可能な光学顕微法が相次いで提案・実証されている。しかし、これらの感度はショット雑音、すなわち標準量子限界で制限される。本研 究の遂行により、ロックイン型非線形光学顕微鏡における標準量子限界を打破し、さらなる高感度化・高速化への道を拓くことを目指した。 2019年度の具体的な研究項目は以下の通りである。1. 提案手法における光学系の損失の影響の理論検討を行うとともに、バランスド検出系の片側の光路に光損失がある場合の感度限界を求めた。提案手法ではフォトダイオード1個でバランスド検出を実現する。一方、バランスド検出系ではフォトダイオードを2個用いるためショット雑音が2倍になるが、スクイーズド光が受ける損失の影響が半分になる。このため、提案手法とバランスド検出の理論限界感度が等しくなることを明らかにした。2. スクイージングレベルの理論検討。特に、光パルスのチャープや結晶中の群速度不整合とスクイージングレベルの関係を明らかにした。本成果は英文誌に採択済みである。3. 低損失光学系の構築と評価。2018年度に理論検討を進めたアキシコンによるビーム整形法を用いて、超低損失対物レンズを用いた顕微光学系を構築し、透過率89%が得られることを確認した。また、本光学系を用いたイメージング実験を行った。4. 光パラメトリック増幅実験。第2高調波発生および光パラメトリック増幅のための非線形光学結晶を入手し、結晶の評価を行った。5. ロックイン型非線形光学顕微鏡のひとつである誘導ラマン散乱顕微鏡を用いて、様々な生体計測実験を行った。
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Research Products
(15 results)