2018 Fiscal Year Research-status Report
非干渉光ホログラフィックナノオーダー精度高速度3次元動画像計測法の創成
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18K18858
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
粟辻 安浩 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 教授 (80293984)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 計測工学 / 3次元計測 / ホログラフィ / ディジタルホログラフィ / インコヒーレント光 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然光で照明された物体,あるいは自発光する物体などの非干渉光を用いて,高速に動く物体に対するナノメートルオーダーでの3次元動画像計測が可能な技術の創成を目指して,インコヒーレント光で照明された動く物体に対するディジタルホログラフィによる3次元動画像計測を提案し、提案法の有効性を計算機シミュレーションで示した. まず,インコヒーレント光を光源として用いた場合に得られるホログラムの計算機シミュレーション方法を構築した.このシミュレーション方法として,物体光と参照光とも波長を一定にして,入力物体の位相分布をランダムにした場合に,物体光と参照光との重ね合わせで得られるホログラムを計算した.次に,入力物体の位相分布のランダムパターンを変化させて,それぞれの変化に応じて物体光と参照光との重ね合わせで得られたホログラムを積算した.この積算により,空間コヒーレンスが低い場合に得られるホログラムを計算機によりシミュレーションした.次に,物体光と参照光の波長を光源が発する光の波長範囲で順に変化させた場合に得られるホログラムをそれぞれ計算した.さらに,それぞれの波長変化に応じて得られたホログラムを積算することで,空間コヒーレンスならびに時間コヒーレンスが共に低い場合に得られるホログラムを計算機によりシミュレーションした.得られたホログラムから光源が発する光の中心波長で再生し,その再生像を確認し画質を評価した.その結果,所望の結果が得られることを確認した. 次に,考案計測法に基づくシステムを設計した.設計システムでは,共通光路を用いた干渉計とした.共通光路中には,適切な拡大率を持った4f光学系を,距離の異なるレンズを2枚組み合わせる構成とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題である非干渉光を用いて,動く物体のナノメートルオーダーでの3次元画像を動画像計測が可能な技術に基づく技術で得られる像の計算機シミュレーション方法を確立した.また,本技術に基づく実証装置の基本光学系を設計できた.以上の成果が得られていることにより,本研究課題はおおむね順調に進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
非干渉光ホログラフィックナノオーダー精度高速度3次元動画像計測法を実現するシステムとして平成30年度に設計したシステムは共通光路を有する.この共通光路には,適切な拡大率を持った4f光学系を,距離の異なるレンズを2枚組み合わせて構成した.この光学系を構築する.容易に入手可能なレンズを選定し,光学系を設計し構築する.また,この構築には,光学素子の高精度な位置合わせが必要となる,この位置合わせに空間光変調素子用いる.本4f系を構築した干渉計で得られたホログラムを偏光イメージングカメラで記録し,記録したホログラムにたいして,考案した像再生アルゴリズムを適用して物体の像を再生する.静止した自発光する物体としてLEDを設定し点灯状態でホログラムを記録し,その像再生を試みる. 次に,動く物体を設定して試作システムの有効性を示す.自発光する物体として,LEDを物体として,LEDの点滅ならびに空間的に移動させた場合に,試作システムが正常に動作するかを実験的に確認し,その能力を評価する. 最後に,本研究全体を総括するとともに,得られた知見をまとめて,総括と展望を行い,システムの更なる高性能化を目指して,新たな非干渉光ホログラフィックナノオーダー精度高速度3次元動画像計測法に対する示唆を与える. 研究協力者としてホログラフィの記録について高度な知識を持つ神戸大学 的場修教授,千葉大学 角江崇助教,産業技術総合研究所研究員 夏鵬博士と議論ならびに助言を受けながら研究を進める.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:本研究課題の実験系において光学系をより高精度に微調整することが必要であることが研究期間中に分かった.また,その微調整のための機構についての検討も必要であることが研究期間中に分かった. 使用計画:本研究課題の実験系において光学系をより高精度に微調整が可能な光学素子を購入する.
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Research Products
(17 results)