2018 Fiscal Year Research-status Report
異種材料光集積化に向けた大気開放・局所活性化雰囲気における常温接合の実現
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18K18863
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
多喜川 良 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (80706846)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 簡便な常温接合 / 大気開放・局所活性化雰囲気 / 光素子実装・集積 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず簡便な大気開放・局所活性化雰囲気下での常温接合プロセスの検証を行うための接合機構の設計を行った.これは、大気圧プラズマ照射等により作り出される活性化雰囲気下で加圧し接合を行う機構である.この設計と並行して、接合中間層として期待される金属層の形成条件の調査を行った.光学応用として重要な酸化ケイ素、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等の酸化物やシリコンのウエハにスパッタや蒸着装置等を利用し、接合性に優れると予想される金属極薄膜の成膜を行った.大気中で酸化しづらい金や上述の酸化物材料と密着性が良いチタン・クロムなどの金属材料を利用した.金属層の原子拡散係数・膜厚・表面粗さ・表面酸化状態等を考慮し、接合性に良いと期待される金属中間層の形成条件の検討を行った.特に、成膜された金属層の膜厚が数ナノメートル以下と極薄である場合、下地の酸化物材料が接合特性に影響を及ぼすことも分かってきた.これらの結果は、大気開放・局所活性化雰囲気下での接合プロセス確立に向けて有意義な知見となるはずである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、提案する大気開放・局所活性化雰囲気下での常温接合プロセスの検討を行うための接合機構の設計と接合中間層となる酸化物材等への極薄金属膜の成膜条件の検討を中心に行った.前者については接合機構の試作までは至らなかったが、後者に関しては、目標に向けて必須となる接合中間層形成のため多くの有意義な知見を得ることができた.以上より、おむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、大気開放・局所活性化雰囲気下での接合プロセス確立に向けて接合機構を実際に試作する予定である.本年度得られた知見をベースに、酸化ケイ素等の酸化物材料上に接合性に適している金属中間層を形成する.実際に試作した接合機構を利用し、大気開放・局所活性化雰囲気下でこれらの常温接合を行う.簡便な常温(ないし低温)接合技術の確立に向けて、ノウハウ等の蓄積を目指す.
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Causes of Carryover |
新しく大気圧プラズマ装置購入の必要がなくなったために次年度使用額が生じた.大気解放・局所活性化雰囲気下の接合機構の装置試作費として今後利用する予定である.
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