2020 Fiscal Year Annual Research Report
Spin-induced weak-link device and physics
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18K18870
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| Research Institution | Nagoya University |
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Principal Investigator |
山下 太郎 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (60567254)
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2018-06-29 – 2021-03-31
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| Keywords | 超伝導 / 磁性体 / 近接効果 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、前年度までに構築したプロセス工程及び測定系、実験結果から得られた物理的知見を元に、素子設計及び材料を検討し、強磁性体として単元素で優れた面内均一性が期待されるコバルト（Co）を採用し、Coを局所的に付加した窒化ニオブ（NbN）素子を作製・評価した。まず、Coによる超伝導抑制効果を検証するため、線幅50μmのNbNワイヤ上の一部にCoを成膜し、電気抵抗の温度依存性を測定した。その結果、膜厚50nm程度のCoを付加したNbNワイヤにおいて、NiFeによる予備実験でも示唆されていた2段階の超伝導転移が明瞭に観測された。Coの付加により、NbNワイヤの臨界温度が局所的に0.5 K程度低減しており、超伝導性が抑制されていることが示された。スピン誘起ウィークリンク素子としては、線幅2μmのNbNワイヤ上の一部に、線幅1-3μmのCoワイヤを直交するよう付加した素子を作製した。作製した素子を、構築した測定系により4端子法を用いて電流電圧特性や磁場依存性を評価した結果、素子間のばらつきが存在するものの、Co線幅の増大に伴いNbNワイヤの臨界電流値が減少する素子が存在することが明らかとなった。さらに今後の展開に向け、超伝導磁気センサや論理回路の基本構造となる超伝導量子干渉計（SQUID）構造として、超伝導ループ上の2箇所にCoワイヤを付加した素子の作製を行った。本研究を通じて、スピン誘起ウィークリンク素子の設計・作製プロセス工程と測定系を構築し、超伝導性抑制効果の材料及び構造依存性に関する知見が得られた。本成果は現在多くの超伝導デバイスの基本素子であるジョセフソン接合に置き換わる可能性を有する、より工程数が少なく微細化可能な新奇素子の技術的基盤という意義・重要性をもつ。
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