2018 Fiscal Year Research-status Report
集積の経済を考慮した空間応用一般均衡分析のための基本的枠組の構築
Project/Area Number |
18K18874
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高山 雄貴 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (90612648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 清宏 東北大学, 工学研究科, 教授 (50168126)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 集積の経済 / 空間応用一般均衡モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
新幹線・高速道路などの交通網整備は,短期的には都市間の人流・物流効率を大幅に改善する一方で,長期的には地方都市の経済活動が大都市に吸い取られる“ストロー現象(経済集積の進展)”をもたらす原因にもなっている.しかし,政策の空間分布を評価するための空間応用一般均衡(SCGE)分析をはじめとした既存の政策評価手法は,経済活動の都市集積メカニズムを考慮していない.したがって,既存のSCGE分析では“交通基盤整備による人流・物流効率改善”などの短期的効果は捉えられても,“それに伴う経済集積の長期的変化(ストロー現象)“は記述できない.そこで,本研究では,経済活動の都市集積メカニズムを考慮したSCGE分析の基本的枠組を構築する.そして,その分析枠組により,交通基盤整備が大都市・地方都市の人口・経済活動に与える影響を評価する. 2018年度は,当初の予定通り,集積の経済を考慮したSCGE分析の基本的枠組を開発した.具体的には,研究代表者らの先行研究に基づき,既存のSCGEモデルに集積の経済を導入し,空間経済データ(国勢調査, 産業連関表, 物流センサス)を利用して,モデル・パラメータを推定した.その後,開発したモデルの基本特性を調べるために,日本を対象とした都市間輸送費用低下の仮想シナリオ(輸送技術の進展に伴う輸送費用低下,高速道路整備を想定)の分析を実施した.そして,開発したモデルが,ストロー現象を表現可能であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的および研究方法に記した2018年度の内容に関して,実際に成果が得られ,その成果を学会での研究発表および学術専門誌掲載の研究論文として公開した.
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度の研究の進展状況は順調であり,2019年度も当初の研究計画に沿って研究課題を遂行する予定である.
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