近赤外線を利用する光合成アンモニア酸化微生物の獲得と革新的排水処理プロセスの構築

2018 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K18884
• Research Institution: Hiroshima University
• Principal Investigator: 金田一 智規 広島大学, 工学研究科, 助教 (10379901)
• Project Period (FY): 2018-06-29 – 2021-03-31
• Keywords: アナモックス / 光合成

Outline of Annual Research Achievements

近赤外線を利用する光合成アンモニア酸化微生物の集積培養を行うためには、750-800 nmの最大吸収波長を持つバクテリオクロロフィルを有する微生物のみ優占化させる必要がある。したがって、通常のクロロフィル（最大吸収波長680-700 nm）を照射しないようにする工夫が必要である。今年度は700nm以下の波長をカットできるロングパスフィルターおよび光源の選定を行った。当初は省エネルギー性に優れるLED光源についても検討したが、波長領域が狭く、現時点では目的微生物のバクテリオクロロフィルの最大吸収波長が不明なため、照射可能波長範囲が広いハロゲン光源を選定した。
集積培養の方法として、これまでにアナモックス細菌の集積培養で実績のある不織布を担体として用いた上向流カラムリアクターを構築した。円筒形のガラスカラムに光を照射するためにライトガイドや集光レンズを光源に取り付け、赤外領域を対象とする光センサにより赤外線強度を測定した。
植種源の候補であるアナモックス細菌集積培養系のバイオマスおよび広島大学近郊の都市下水処理場活性汚泥について次世代シーケンサーによる微生物叢解析を行った。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

実験装置の構築に時間がかかり、培養実験開始に至っていないため。これは700nm以下の波長をカットできるロングパスフィルターが特注であったことに加え、7月の広島地区豪雨災害の影響で物流が滞り、納品が遅れたことによる。

Strategy for Future Research Activity

実験装置の構築が終わり、候補となるバイオマスの選定も終了したことから、無機合成培地を作成の後、培養実験を開始する。

Causes of Carryover

赤外線照射装置の納入が遅れたため、他に必要な消耗品の購入が年度内に完了しなかったため。今後は予定通り実験関連消耗品を購入し、培養実験を開始する。