2018 Fiscal Year Research-status Report
Isolation and application of bacillus sp. for reduction of membrane foulants
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18K18889
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
山村 寛 中央大学, 理工学部, 准教授 (40515334)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | バチルス属細菌 / 酵素 / バイオポリマー / 膜ろ過 |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子有機物の中でも特にカゼイン及びデンプンの分解を担う酵素生成細菌を単離し、その生理学的特性を調べると共に、細菌学的な分類を行うことを目的とし、最終的に、得られた情報をもとに活性汚泥中で高分子有機物分解を担う細菌の分類・整理したカタログを作成する。 30℃及び10℃の条件で3ヶ月以上馴養した活性汚泥4種、及びバチルス種菌汚泥として販売されている汚泥2種を対象として、単離実験を実施した。炭素源が異なる細菌を単離するため、6種類(尿素、肉エキス、グルコース、ペプトン、デンプン、カゼイン)を任意に添加したバチルス菌培養基質、及びLB、NB培地の合計8種類の培地に、先述した汚泥を塗抹し、培養温度は30℃と10℃条件下でプレート培養を行った。単離菌はカゼイン及びデンプン分解酵素活性、下水中での比増殖速度、グラム染色試験を測定し、生理学的な基本特性を明らかにした。また、単離菌は16SrRNA塩基配列のシーケンス解析結果をBLASTデータに照合することで、単離菌の種及び属を同定した。 本研究の結果、61株が合計で単離された。特にLB、NB、カゼインを炭素源とした際に多くのコロニーが発生したが、尿素、肉エキス、グルコースの場合は少なかった。また、培養温度が30℃の方が10℃よりも単離された細菌数が多く、細菌の最適温度条件は30℃であると考えられる。これまで、10℃での高分子有機物分解が極めて困難なことが明らかになっていたが、10℃でもカゼイン及びデンプンを分解できる菌が発見され、塩基配列を調べた結果Aeromonas 属と同定され、10℃における比増殖速度μは0.08 (h-1)以上であった。Aeromonas 属細菌はLB、NB培地のみで単離されたことから、これらの細菌を活性汚泥中で増殖するためにはLB、NB培地の共通基質であるペプトンを下水中に添加する必要があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は多数の最近を単離することを目的として、様々な培地、汚泥を用いて単離してきた。単離株については、重複したものもある一方で、温度や培地が異なることで、多様な単離株が得られている。一方で、これらの単離した株については、増殖速度や酵素の種類については未だ十分な情報が得られていないため、今後、これらの情報を得るために基礎的な試験を実施ス予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
単離株が放出する、バイオポリマー分解酵素の構造、基質特異性について、今年は重点的に検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
単離されたバチルス菌の菌種が想定よりも少なかったため。本年度、さらに単離を実施して、菌種を増やす予定である。
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Research Products
(1 results)