2019 Fiscal Year Research-status Report
岩石材料試験イノベーションを促進するマイクロクラック可視化技術の構築
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18K18890
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
石井 建樹 木更津工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (60400280)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 微視クラック / 岩石 / 可視化 / プラスティネーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,岩石中に存在する微視クラックを可視化する安価な技術を構築し,現時点でも明らかにされていない微視クラックの形状や三次元分布の様子を明らかにすることである.そのために,生体プラスティネーション技術を参考にして,蛍光樹脂を花コウ岩に含浸する真空含浸技術を構築した.しかし,蛍光樹脂の含浸には成功したものの,花コウ岩のように石英を含む岩石では,樹脂が含浸すればするほど,紫外線励起で発光した光が石英を透過してしまい適切に微視クラックを観察できないという問題点があった. 本年度は,この課題克服を念頭に研究を進めた.具体的には,粘性が大きい樹脂を利用し,硬化前に加圧して含浸する樹脂含浸法の改良と,撮影照明の検討である.まず,樹脂を変更して含浸ののちに加圧する新しい方法では,安定的に含浸することが難しいことと,加圧の過程でクラックが進展する可能性も見られ,元来の微視クラック全てに樹脂が含浸したがどうかに確信が持てない結果となった.また,樹脂の硬化時間に達していなくても,クラック内部では樹脂量が少ないために硬化が早くなるような傾向も見られ,加圧による顕著な改善効果を見出すことができなかった.この方法については,紫外線励起発光戦力ではなく,コンクリートなどで一定の成果が報告されている水漏れ検査染料の利用を今後の課題としたい. 一方,撮影照明の検討については,納品が計画よりも大幅に遅れ,現在装置の組み立て中である.この成果についても今後の課題としたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現時点では,樹脂の含浸については実施可能な状況にあるが,適切な観察方法が構築できていない状況である.今年度の成果として,想定ほどの新しい成果が得られなかったことや,台風やコロナウィルスによる装置の納品の遅れなどがあり,計画よりやや遅れていると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,撮影照明を組み立てて,これまでに樹脂含浸した試験体を撮影することで適切な撮影条件を見出すとともに,あわせて,蛍光染料ではな他の検査染料を利用した観察も進める.それらの結果を比較することで実験条件を明らかにして,再実験を行うことで本課題の成果としてまとめたい.
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Causes of Carryover |
本研究は,樹脂含浸による微視クラック観察および研磨による三次元分布の把握の2つの柱からなる.当初計画では二年目に研磨装置の導入を予定していたが,現状では未だに微視クラック観察に課題が残されている.この課題が解決されない限り,本課題の達成は実現しないことから,計画を変更して樹脂含浸による微視クラック観察に注力して研究を遂行した.その結果として,使用計画の変更が必要となり使用額に差が生じた.
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