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2019 Fiscal Year Research-status Report

モバイルデバイスを用いた3次元実測型騒音マッピングシステムの開発

Research Project

Project/Area Number 18K18897
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

大嶋 拓也  新潟大学, 自然科学系, 准教授 (40332647)

Project Period (FY) 2018-06-29 – 2021-03-31
Keywords都市環境音響 / スマートフォン / 騒音マッピング / スマートフォン個体差
Outline of Annual Research Achievements

令和元年度は本研究の2年目であり,主に以下の検討を行った。
1. 主たるモバイルデバイスであるスマートフォンの内蔵マイクロホンの特性把握として,指向特性および周波数特性測定を行った。A社製スマートフォンを無響箱に入れ,音源スピーカからの音をスマートフォンを回転させながら収録した。スマートフォンは緯度方向30°刻み,経度方向には最小30°刻みとした。また,周波数特性の参照値として,音響計測用1/2インチマイクロホンを用いた収録を行った。収録結果は,中心周波数250Hz~16kHzのオクターブバンド分析を行った。その結果,指向特性は,一部の方向でおよそ2 dBの感度上昇が見られるものの,おおよそ無指向性であった。一方,マイクロホン正面方向の周波数特性は,オクバーブバンド中心周波数400~2.5 kHzの範囲では1/2インチマイクロホンと比較して感度が小さく,12.5 kHz以上では大きかった。
2. スマートフォン個体間のマイクロホン感度のばらつきを調べるため,1. の正面方向の周波数特性測定と同様な測定を同一機種の5個体に対して行った。さらに,わが国における代表的な道路交通騒音予測モデルであるASJ RTN-Model 2018の自動車音源パワースペクトルを適用し,道路交通騒音のA特性値を模擬的に算出した。その結果,周波数特性の標準偏差は概ね1 dB以内であるものの,高周波数ほどばらつきが大きくなり,12.5 kHz以上では1 dBを超えた。道路交通騒音の模擬的A特性値の5個体間の1/2インチマイクロホンからの平均偏差は0.7 dB,ばらつきは最大1.7 dBであった。これは日本産業規格のサウンドレベルメータに許容される偏差の範囲内に概ね対応するものの,許容されるばらつきに対してはやや大きいと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

年度当初に計画した,スマートフォンの内蔵マイクロホンの特性把握およびスマートフォン個体間のマイクロホン感度のばらつきの調査は達成した。一方で,モバイルアプリケーションにおける計測データのサーバへの送信コード,およびサーバ上においてデータを蓄積共有し,騒音マッピングを行うサーバソフトウエアの開発は達成できていない。よって,(3)と評価した。

Strategy for Future Research Activity

1. 令和元年度までの検討で明らかになったスマートフォン内蔵マイクロホンの周波数特性について,必要な補正を実装する。
2. モバイルデバイスによる標高計測機能を実装し,従来の衛星測位による平面測位と併せて3次元でのノイズマッピングを可能とする。標高計測の具体的手法としては,衛星測位による標高計測並びに,近年のスマートフォンに内蔵される気圧高度計および数値標高モデルなどの地理データを組み合わせた手法などが考えられ,これらを検討していく。また,ユーザによるスマートフォンの把持が不要な手法を検討する。
3. モバイルデバイスで計測したデータのサーバへの送信機能並びに,サーバサイドのデータ蓄積共有および騒音マッピング (可視化) 機能の開発および実装を行い,ユーザ参加型ノイズマッピングを可能とする。データのマップ上への可視化には,簡易な2次元可視化,および地理空間情報と組合わせた詳細な3次元可視化を検討する。

Causes of Carryover

当初計画では令和元年度に実施することとしていたサーバサイドのデータ蓄積共有および騒音マッピング機能の開発を令和2年度に遅らせることとなったため,サーバの調達も令和2年度へ遅らせることとなった。令和2年度はサーバを調達し,サーバサイドの開発を行っていく。

  • Research Products

    (13 results)

All 2020 2019

All Presentation (13 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] カーディオイドマイクロホンを用いた地表面音響特性の現場測定に関する検討 アンサンブル平均法との比較2020

    • Author(s)
      大嶋拓也,黒坂優美
    • Organizer
      日本建築学会北陸支部
  • [Presentation] 環境騒音伝搬予測のための航空画像を用いた地表面種類広域分布の推定2020

    • Author(s)
      黒坂優美,大嶋拓也,平栗靖浩
    • Organizer
      日本建築学会北陸支部
  • [Presentation] ユーザー参加型ノイズマッピングに用いるモバイルデバイスの特性に関する研究 -内蔵マイクロホンの指向特性及び周波数特性測定による検討-2020

    • Author(s)
      沼田賢樹,大嶋拓也
    • Organizer
      日本建築学会北陸支部
  • [Presentation] カーディオイドマイクロホンを用いた地表面音響特性の現場測定に関する検討 C-C法とアンサンブル平均法の比較2020

    • Author(s)
      大嶋拓也,黒坂優美
    • Organizer
      日本音響学会
  • [Presentation] 環境騒音伝搬予測のためのハイパースペクトル航空画像を用いた地表面分類の検討2020

    • Author(s)
      黒坂優美,大嶋拓也,平栗靖浩
    • Organizer
      日本音響学会
  • [Presentation] ユーザ参加型ノイズマッピングに用いるモバイルデバイスの特性に関する研究 内蔵マイクロホンの指向特性及び周波数特性の補正に関する検討2020

    • Author(s)
      沼田賢樹,大嶋拓也
    • Organizer
      日本音響学会
  • [Presentation] 半無限長厚み障壁背後における日欧の道路交通騒音予測モデルの特性に関する検討2020

    • Author(s)
      竹田郁哉,大嶋拓也
    • Organizer
      日本音響学会
  • [Presentation] 多孔質材料の流れ抵抗の直接測定及び現場測定した音響特性からの推定の比較2020

    • Author(s)
      塚原正人,大嶋拓也
    • Organizer
      日本音響学会
  • [Presentation] Comparison of ASJ RTN-Model 2013 and the Harmonoise engineering model under thick barrier configurations2019

    • Author(s)
      Takuya Oshima, Azusa Hoshikawa, Yumi Kurosaka
    • Organizer
      International Congress on Acoustics (Aachen)
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 表面音響特性現場測定法の特性に関する検討 ―ANSI/ASA S1.18-2010法に基づく測定値のばらつきに関する実測―2019

    • Author(s)
      黒坂優美,大嶋拓也
    • Organizer
      日本建築学会
  • [Presentation] 日欧の騒音予測モデルにおける自動車音源モデルに関する研究 -小型車におけるASJ RTN-Model 2018とHarmonoise及び実音源の比較-2019

    • Author(s)
      三森新,大嶋拓也
    • Organizer
      日本建築学会
  • [Presentation] Bluetooth Low Energyビーコンを用いた屋内測位手法の適用性向上に関する研究2019

    • Author(s)
      沼田賢樹,大嶋拓也
    • Organizer
      日本建築学会
  • [Presentation] ANSI/ASA S1.18-2010法およびアンサンブル平均法による地表面音響特性の実測比較2019

    • Author(s)
      岩本拓也,大嶋拓也,黒坂優美
    • Organizer
      日本音響学会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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