2023 Fiscal Year Annual Research Report
Formulation of a platform for historical and cultural cities in the integration of memory
Project/Area Number |
18K18903
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
宗本 晋作 立命館大学, 理工学部, 教授 (20581490)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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Keywords | 歴史的建造物 / 点群 / 耐震補強 / 保存活用 / 傾斜 / 避難シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、歴史文化都市の『歴史・文化面』のデータ化のプラットフォームの考案にある。昨年度、歴史文化都市の質的な魅力を評価する手法の開発という観点から、被験者の提示された歴史文化都市の街並み画像に対しての訪問意欲をDeep Learningを用いて推定する技術を開発した。本年度は、最終年度の成果として、歴史文化都市の点群データの質的な部分をどのように活かすかというテーマを纏めるため、昨年度、撮影を行った歴史的建造物の点群データを活用し、3次元空間に再現し、歴史的建造物の構造架構の把握、空間の質を損なわない構造補強の提案、これらの空間の活用の検討を行った。一方、この研究を始めてから、路地の安全性向上のために、道の拡幅やそのための建物の建て替えにより歴史文化都市の質的な空間が失われていくことに対して、どのように対応するかが合わせて大切であることに気づいた。路地の狭いままの空間をどのように安全に利用するか、評価するかという視点が、歴史文化都市の質的部分である『歴史・文化面』の保存活用に有用と考え、継続してきた。これまで、この空間の安全性の評価に関する研究としては、路地を避難に用いるシミュレーション、安全安心と感じる環境の評価やその評価と犯罪発生の関係を捉え、査読論文に纏めた。山間部に多く残された歴史建造物は、傾斜地にあり、アクセスや避難が問題となっている。特に傾斜地は、避難経路の選択が難しいと考え、本年度はGISを用いて、境内や周辺環境のほとんどが勾配で構成される清水寺周辺を対象として、傾斜の負荷を取り入れた避難シミュレーションを開発した。このように、点群データだけに限らない他のデータに保持された歴史文化都市の『歴史・文化面』の質的データの活用に繋がる技術を開発した。
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