2020 Fiscal Year Research-status Report
可変型同調回転慣性質量機構をもつスマート波力発電装置の開発
Project/Area Number |
18K18908
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
浅井 健彦 筑波大学, システム情報系, 准教授 (90775793)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 波力発電装置 / 同調回転慣性質量機構 / イナーター |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者が提案、開発している同調回転慣性質量機構付き波力発電装置のさらなる発電効率の向上を目指し、回転慣性質量機構を海洋波の周期に応じて可変にした場合の発電効率を数値解析シミュレーションにより検証し、その有効性を示した。 同調回転慣性質量機構は近年、建築・土木構造分野において、地震動を受け振動する構造物の振動エネルギーを効率的に吸収出来る制振装置として注目を集めており、研究代表者はこれまで、この同調回転慣性質量機構を用いた波力発電装置を提案しており、従来の装置と比較して大きく発電効率を向上させることが出来ることを数値解析シミュレーションと縮小模型を作成して筑波大学アイソトープ環境動態研究センターが保有する二次元造波水路を用いた水槽実験により実証していた。 しかし、同調回転慣性質量機構は同調効果を利用していることから、予め想定した周期に対しては大きな効果を発揮するが、想定外の周期に対してはその効果を十分に発揮することが出来ないといった課題が残っていた。海洋波のように天候や時刻によって周期が大きく変化する外乱を対象とする場合に対応するため、ここでは、波高データに高速フーリエ変換を適用することで卓越周期を計算し、その卓越周期に応じて、回転慣性質量値を変化させるシステムを構築した。そして、実海域で測定された波高データを用いた数値解析シミュレーションを行い、波の卓越周期に応じて回転慣性質量値を変化させることで、発電効率のさらなる向上が可能となることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、大学院生の大学構内への入構が制限され、水槽実験の実施が出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度実施出来なった水槽実験の実施に向けて準備する。今年度も水槽実験の実施が困難な場合も考えられるため、より信頼性の高い検証を加えるために6自由度系の解析が可能となるソフトウェアであるWEC-simを用いたシミュレーションを行うなどさまざまな方法で提案する波力発電装置の有効性の検証を試みる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、計画していた水槽実験の実施や学会への参加等が出来なかったため次年度使用額が生じた。 次年度は今年度実施出来なかった水槽実験を実施する予定であるので、試験体制作費、水槽使用料として主に助成金を使用予定である。
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