2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K18921
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅谷 俊治 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (80367820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓮池 隆 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (50557949)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 組合せ最適化 / モビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
首都圏における通勤ラッシュや帰省ら亜種など交通網の混雑が社会に与える影響は非常に大きく,これらを緩和することは重要な課題である.現在,スマートフォンを通じた乗換案内や経路案内のサービスなどにより,目的地までの経路に加えて道路や路線の混雑状況も知ることが容易になったにも関わらず,交通網の混雑を解消することはいまだに困難である. 多くの乗換案内や経路案内のサービスは,個別の利用者に対して最短路問題を解いた結果を用いて経路を推薦するため,しばしば同一の道路や路線に利用者が集中して混雑が引き起こされることが知られている.このように,交通網では個別の利用者に対して経路を最適化しても混雑を緩和できるわけではなく,全ての利用者に対して同時に経路を最適化する必要がある. 本研究では,時間軸方向に拡張されたネットワーク上において,混雑のピークを最小化するような全ての利用者の経路を同時に求める最適化問題を整数線形計画問題に定式化した.この定式化の下で,仙台,道央,中京,京阪神,東京の主要5都市における朝の通勤時における鉄道利用者を対象とするシミュレーションを実施した.シミュレーションの結果,出発・到着時刻に10分前後の幅を持たせることで混雑のピークを大幅に低減できることを確かめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
混雑のピークを最小化するような全ての利用者の経路を同時に求める最適化問題を整数線形計画問題に定式化し,主要5都市におけるシミュレーション結果より,出発・到着時刻に10分前後の幅を持たせることで,混雑のピークを大幅に低減できることが確認できた.
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Strategy for Future Research Activity |
今回のシミュレーションで利用したデータに不備が多く含まれたため,シミュレーション結果の信頼性に不安が残ることとなった.今後は,利用データおよびシミュレーション結果を詳細に確認することで信頼性の向上に努めるとともに学会・論文発表の準備を進める予定である. また,鉄道網以外の道路交通網のデータに対するシミュレーションも実施したい.
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Causes of Carryover |
出張に掛かる旅費が予定よりも少なかったため次年度に持ち越すこととなった. 次年度では残額分を学会発表・打合せの旅費として使用する予定である.
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