2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K18923
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西崎 一郎 広島大学, 工学研究科, 教授 (80231504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 勝彦 広島大学, 工学研究科, 教授 (00187999)
林田 智弘 広島大学, 工学研究科, 准教授 (20432685)
関崎 真也 広島大学, 工学研究科, 助教 (70724897)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 協調的生産モデル / 非協力ゲーム / 協力ゲーム / エージェントベース・シミュレーション / サプライチェーン |
Outline of Annual Research Achievements |
複数の企業が調達した資源の一部を互いに融通し合う協調的生産計画において,各企業は資源を融通するという意味では協調的であるが,各企業の目的は自社の利益を最大化することであり,独自に決定するモデルを考察し,システム制御情報学会誌に発表した. 上記の協調的生産計画モデルに対して,確率的需要を考慮した2段階モデルに拡張した.このモデルにおいて,資源の融通のみならず,最終製品の輸送と技術移転を導入したうえで,2段階目の共同生産に関する協力ゲームを定式化し,安定な解の集合であるコアに属する配分を求めることができることを示した.その配分を含む各企業のNash均衡点を計算する方式を提案し,学術雑誌に投稿中である. Anupindi et al. (2001) のモデルに対して,我々は需要を離散的確率分布で表現されることを仮定したうえで,2段階目の商品の輸送に関する協力ゲームを定式化し,コアに属する配分を示し,小売り業者間のNash均衡点の計算方法を提案した.さらに,確率計画モデルにおけるフラクタイルモデルを導入し,小売業者のリスク態度を考慮した定式化を示し,学術雑誌にに投稿中である. また,線形生産ゲームに対して,全体提携の潜在価格のみが用いられた解であるOwen解が提案されているが, いくつかの問題点があった.我々はそれらの問題点を克服する解を提案し,その解に対して,公理的な特徴付けを行い,学術雑誌に投稿中である. さらに,Calvete et al. (2014)のモデルに対して,我々は小売業者が確率的な需要をもつこと,さらにこの不確実性のために,需要確定後に余剰在庫をもつ小売業者から残存需要をもつ小売業者へ製品を再配送する2段階モデルを定式化し,複数の配送業者による協力モデルを取扱い,協力ゲームを用いて,得られた総利益を各小売業者へ割当てることを考え,学術雑誌に投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果が得られ,1編の論文をシステム制御情報学会誌に発表し,4編の論文を投稿中である.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に考察した数理モデルでは,一般に企業の行動は最適に応答することを仮定しているが,むしろ試行錯誤を繰り返した適応的な行動をとることを仮定して,強化学習などを基礎としたエージェントベースのシミュレーションを実施し,同様に企業間の資源の融通に関する分析を行う.とくに,Pareto劣位となるNash均衡点がどの程度選択されるかを調査する. さらに,2レベル計画問題では,上位レベルの意思決定者は下位レベルの意思決定者の最適応答を仮定して定式化されるが,本研究で取り扱うようなサプライチェーンでの問題では,下位レベルの他社の問題の定式化において,他社の技術を推定する必要がある.この推定は困難であるという認識のもと,我々はDEAの考えを用いて技術係数を用いずに観測データを用いた定式化を試みる.
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Causes of Carryover |
当初予定していた使用額に対して,出張旅費等の実際の費用が223円分だけ小さかったため.2020年度分と合わせて,適切に使用する.
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Research Products
(2 results)