2018 Fiscal Year Research-status Report
New laser remote sensing system for the particle size measurement in floating volcanic ashes
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18K18925
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
阿保 真 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (20167951)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 火山 / リモートセンシング / ライダー / 自然現象観測・予測 / 自然災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
火山噴火により噴出し広範囲に拡散された浮遊火山灰は、日常生活や経済活動に大きな影響を及ぼす。この影響を最小限に抑えるためには、迅速で正確な浮遊火山灰の拡散予測が有効であるが、その実現のためには定量的な浮遊火山灰の初期情報が必要である。しかし現状の観測は地上での降灰サンプリング等に限られており、リアルタイムでこれを得ることは困難である。本研究では、サンプリング観測の代わりにパルスレーザを用いることにより、浮遊火山灰の粒径情報と密度情報をリアルタイムで遠隔から測定する装置の開発を目的としている。得られた情報は衛星やレーダ観測等噴煙拡散情報と組み合わせることによって、正確な拡散予報への利用が期待できる。 実際の浮遊火山灰の観測は火山が噴火した状況でないと出来ないので、初年度はシミュレーション、室内実験並びに装置の開発を行った。シミュレーションより、測定可能な粒径範囲は浮遊火山灰の質量密度と観測体積に依存するが、桜島の噴煙を想定した場合粒径200~600μmの粒子が2km遠方より観測可能であることがわかった。また、室内粒子計測実験装置を製作し、実際の火山灰並びにサンプル粒子を用いて散乱信号強度を測定し、粒径との相関を確認した。更にこれらの結果を踏まえて、ファイバーレーザを光源としたポータブルレーザ計測装置を設計・製作した。今後信号処理システムを開発し、桜島等火山噴火が予想されるフィールドにおける観測を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シミュレーション、室内実験による原理確認が済み、装置のハードウェアは概ね完成しており、研究は順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
信号処理システム並びにソフトウェアの設計・開発を引き続き進め、屋外での試験観測を行い、更に条件が整い次第、桜島などの実際の噴煙でフィールド実験を試みる。得られた結果をとりまとめ、成果の発表を行う。
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Causes of Carryover |
レーザ計測装置のハードウェアの製作は概ね順調に進んだが、信号処理システム並びにソフトウェアの設計・開発が年度内に終わらず、屋外での試験観測も出来なかったため、物品費・旅費・人件費を次年度に繰り越した。繰り越し分については、年度前半にレーザ計測装置の信号処理部を完成させ、試験観測を行うために使用する計画である。
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