2018 Fiscal Year Research-status Report
無機単結晶/高分子ナノネットワーク複合材料の合成とその機械的・電気的特性評価
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18K18943
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平藤 哲司 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (70208833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 正男 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (60361648)
池之上 卓己 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (00633538)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 複合材料 / 結晶成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
圧電結晶と有機ポリマーナノネットワークを複合化した材料の開発を目的としている。有機ポリマーとの複合化によって、柔軟で曲げに強いといった優れた機械的特性が得られることを期待している。 圧電結晶/有機ポリマーナノネットワーク複合体の形成プロセスとして、ナノポーラス・ポリマーの細孔内に目的の圧電物質をエピタキシャル成長させる方法を検討している。圧電物質として、まず、ZnO を選択した。ZnO をエピタキシャル成長させるためのシード層を基板上に形成し、その上にブロック共重合ポリマーのミクロ相分離を利用して、ポーラス・ポリマー層を形成することができた。さらに、このポリマー層の細孔内に、アンモニア水溶液を用いた低温水熱合成法によって ZnO を成長させることができ、複合体を得ることができた。 また、新しい圧電材料として期待されているトリメチルクロロメチルアンモニウム塩化マンガン (TMCM-MnCl3) の合成を試みた。このペロブスカイト型の有機無機ハイブリッド結晶である TMCM-MnCl3 は、優れた圧電性能を示すことが報告されているが、その合成方法の詳細は不明である。合成条件を詳細に検討し、TMCM-MnCl3 の合成の成否に大きな影響を及ぼす因子を明らかにした。原料溶液から水分を除去する必要があるが、その減圧乾燥時の温度によって得られる物質が大きく変化することが判明した。また、TMCM-MnCl3 の合成に必要な原料溶液の混合比率を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
優れた圧電特性を示すとされている TMCM-MnCl3 を再現性良く得ることができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ポリマー層内に成長させた ZnO の圧電特性の評価を行なう。このため、まず、フレキシブル基板上にポーラスポリマー層を形成し、その内部に ZnO を成長させることを試みる。 また、ZnO よりも格段に優れた圧電特性を示すとされる TMCM-MnCl3 結晶の合成に引き続き取り組む。
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Causes of Carryover |
海外薬品メーカーに実験に必要な試薬の合成を注文したが、先方が合成に失敗し、注文がキャンセルになった。このため、次年度使用額が生じた。次年度、他の試薬を購入し、当該試薬の合成を試みる。
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