2018 Fiscal Year Research-status Report
変形自在なマクロ分子集合体をテンプレートとするトップダウン・ナノアセンブリ
Project/Area Number |
18K18948
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿部 浩也 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (50346136)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / アセンブリ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、マクロ分子集合体を用いて、無機ナノ粒子の集積パターンをトップダウン的な手法によって自由に描く技術を提案する。マクロ分子集合体とは、ここでは有機分子が液相中で相分離して形成されたマクロな構造体である。ソフトマテリアルであるために柔軟性を示し、外力によって容易に形状が変化する。このマクロ分子集合体を変形自在なテンプレートとして用いる。種々の方法により析出したマクロ分子集合体を無機ナノ粒子と複合化し、2次元/3次元パターンをトップダウン的に直接描画する。続いて、マクロ分子集合体のみを除去し、ナノ粒子から成る集積パターンを得る。以上のプロセスコンセプトを検証する。 2018年度は申請者らの先行研究に基づいて、柔軟なテンプレートを用いるトップダウンナノアセンブル技術の開発を進めた。界面活性剤分子のマクロスケールな自己組織化(リオトロピック液晶)と無機ナノ粒子の複合化により、無機ナノ粒子の配向パターンを形成した。界面活性剤分子としてデオキシコール酸ナトリウムを使用した場合、ファイバー状のマクロ分子集合体が形成され、この構造体にカーボンナノチューブ(CNT)を複合化させた。複合化によりゲル化が生じたため、マイクロノズルからの連続的な押し出しによってトップダウン的な直接描画が可能となった。3次元パターンを直接描画した後、界面活性剤分子を除去することにより、分子間力により配向したCNTの凝集パターンを観察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者らの先行研究に基づいて、柔軟なテンプレートを用いるトップダウンナノアセンブル技術の開発を進めた。界面活性剤分子を用いて、そのマクロ分子集合体と無機ナノ粒子を複合化し、3次元パターンをトップダウン的に直接描画し、マクロ分子集合体のみを除去し、無機ナノ粒子から成る集積パターンを得たことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究において、界面活性剤分子を利用する新たな方法論の可能性を見出した。そこで、次年度はこの詳細について調べるとともに、別の方法を用いたマクロ分子集合体の形成も検討する。
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Causes of Carryover |
国内外の学会参加が少なかったために、旅費の使用額が特に少なかった。次年度は積極的に研究成果を国内外の学会の場で公表する予定である。
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Research Products
(5 results)