2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of morphogenic mechanisms of hair follicle using oxygen-permeable microdevice
Project/Area Number |
18K18971
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
福田 淳二 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (80431675)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | Hair follicle / Germ / Self-organization / Organoid / Oxygen |
Outline of Annual Research Achievements |
脱毛症は、生命には関わらないが、個人の印象を大きく左右するためその治療へのニーズは大きい。近年、男性型脱毛症の発症メカニズムの理解が進み、有効な治療薬が開発されてきている。しかし、未だに効果は限定的である。発毛剤の開発を加速させるには、生体の毛包に類似した組織を生体外で構築し、候補薬剤を効率的に評価できる培養系が不可欠である。また、そのような培養系で作る細胞組織を生体へ移植すると、効率よく毛包組織を生体内で構築することにつながることから、毛髪の再生医療にも利用できる可能性がある。 本研究では、毛包の発生期にみられる細胞組織(毛包原基)を生体外で大量調製する技術を用いて、薬剤評価ツールとしてへの応用に取り組んでいる。前年度に、酸素透過性シリコーンゴム(PDMS)を用い、マウス胎児由来の上皮系細胞と間葉系細胞に1つの凝集体を形成させると、毛包原基様の構造を形成し、さらにこのまま12日間培養すると、毛幹様構造が伸長してくることを示した。特にこの現象を90%以上の効率で再現できる実験条件を見出した。本年度は、ヒト毛包由来の毛包上皮幹細胞またはヒトiPS細胞から誘導した毛包上皮細胞を用いて、毛幹構造の伸長を生じさせる条件を検討した。毛幹を構成するタンパクであるケラチンの発現が培養時間とともに上昇すること、特にケラチンタイプがより分化した細胞から得られるものに変化することが示された。マウスで見られたような毛幹構造の伸長はまだ観察されていないが、ヒトとマウスの発生に要する時間を考えるとさらに長期的な検討が必要であり、培養条件の工夫とともに検討を続けている。
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