2018 Fiscal Year Research-status Report
熱と可視光の協奏的利用でメタン変換するイオン液膜担持ゼオライト触媒の創製
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18K18972
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
渡部 綾 静岡大学, 工学部, 准教授 (80548884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 長寿 静岡大学, 工学部, 教授 (30199260)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | メタン / 熱 / 光 / 脱水素カップリング |
Outline of Annual Research Achievements |
石油代替資源として期待されるメタンから、エチレン、プロピレンやブタジエンなど軽質オレフィンに転換する革新的メタン転換システムの創生が求められている。本研究は、熱エネルギーと光エネルギーを併用することで、メタンからオレフィンに高効率に転換する新規な化学プロセスの創出を目指し、そのプロセスに必要な触媒の創製を目的とした。このような光エネルギーと触媒反応を併用するメタン転換技術の創生は、世界初の試みであり、実現すれば従来型のメタン転換技術では達成できなかった夢の高効率変換型触媒になる。 そこで平成30年度は、新規なメタン転換技術の創出に必要な触媒システムを開発すべく、熱エネルギーのみを利用したメタンの脱水素カップリングを実施した。遷移金属系触媒は、脱水素カップリング反応に対して活性を示さず、メタン転換が困難であることが明らかになった。貴金属触媒の脱水素カップリング特性を評価した結果、本反応系に対して活性を示すことがわかり、ごく僅かではあるもののC2化合物を生成することが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたメタン転換のためのラジカル反応では、触媒システムの創生が困難であることがわかった。そのため、反応系をラジカル反応から脱水素カップリング反応に切り替えて実施した。メタンの脱水素カップリング反応に対して貴金属触媒が活性を示すことが明らかになったものの、予想以上に時間がかかってしまった。やや遅れているが、令和元年の早期に遅延を取り戻せるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
メタン脱水素カップリングに活性を示す貴金属系触媒を用い、光エネルギーと熱エネルギ-による反応の駆動を検討する。太陽可視光を模擬した波長500nmの光を蛍光ランプにより反応場に照射し、メタンの転換性能を評価する。反応性が低い場合には、反応条件の最適化や外部加熱温度の増加など適切な対策を講じて反応を加速させる。以上の検討を推進し、新規なメタン転換技術を提案する。
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Causes of Carryover |
本年度に予定していた熱エネルギーによるメタン転換触媒の開発が遅延し,次年度も継続して開発することになったためである。熱エネルギーと光エネルギーを併用したメタン転換システムの開発は,これまでにほとんど報告例がなく,新規な反応系である。最も困難と考えられる検討事項を解決したため,次年度は触媒開発を速やかに実施し,光エネルギーの併用システムを構築し、予算を執行できるものと考えられる。
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