2019 Fiscal Year Research-status Report
Formation and structural control of hydrogel-cored giant liposome
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18K18977
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
佐伯 大輔 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (70633832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 幸久 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (40243042)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | ジャイアントリポソーム / 脂質二分子膜 / ハイドロゲル / 形態制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、油水界面通過法を用いたGLの形成方法、及びマイクロ流路を用いたGLの基材に用いるための異形ハイドロゲル粒子の形成方法について検討した。 油水界面通過法を用いたGLの形成については、前年度から継続して検討を行った。本年度は、脂質二分子膜と内水相を蛍光標識し、構造評価を中心に検討を進めた。その結果、用いるゲル粒子の材質やリン脂質の構造がGLの形成状況に大きく影響することが明らかとなり、それぞれ適切な材料を用いることで、油水界面通過後、水相に再分散させたゲル粒子から、脂質膜、及び内水相由来の蛍光を検出することができ、GLであることが確認できた。また、一定以上の分子量の物質であれば、GL内部に内包化できることもわかった。しかしながら、低分子については漏出が見られることがあり、欠陥がいまだ存在している可能性があり、更なる最適化を行う必要がある。 マイクロ流路を用いた異形ハイドロゲル粒子の形成については、容易にゲル化が可能なアルギン酸を基材として選定し、異形粒子を得るためのゲル化方法を検討した。アルギン酸はカルシウム塩溶液と接触させることでゲル化するが、カルシウム塩を油相に溶解して接触させることで、アルギン酸を溶解した水相を水相の形状を維持しつつゲル化できることがわかった。そこで、十字型のマイクロ流路構造を設計し、カルシウムを溶解した油相にアルギン酸水相を流入させたところ、連続的にゲルファイバーを形成できることが分かった。本手法を応用して、異形粒子の形成について検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
GLの形成方法については、分析機器の使用環境の整備の遅れから、脂質二分子膜の構造評価に遅れが生じているが、既に問題は解消し、これらの検討を進めている。一方で、2019年度に検討を始めた異形粒子の形成については予想以上の結果が得られており、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、GLの形成方法の確立、及び得られたGLの膜構造の評価を行う。また、形態制御を目指し、マイクロ流路を用いて形成した異形ハイドロゲル粒子を基材として用いたGLの形成についても検討する。
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Causes of Carryover |
GLの形成方法についてはおおむね確立できたが、分析機器の使用環境の整備の遅れから、脂質二分子膜の構造評価に遅れが生じており、そのために使用する予定であった試薬(脂質、蛍光物質など)や、その後の機能性分子の導入の検討に用いるための試薬(膜タンパク質、酵素、蛍光物質など)、成果発表に係る費用を繰り越すこととなった。しかしながら、既に分析機器の問題は解消し、2020年度はこれらの検討を行える見通しが立っている。また、論文発表や国際学会発表にむけて、一部の成果をまとめる段階に入っており、昨年度以上の研究の進捗、及び成果が見込まれる状況である。
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Research Products
(3 results)