2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of S/O/W emulsion formulations for nose to brain protein delivery
Project/Area Number |
18K18980
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
通阪 栄一 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (40363543)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 脳内デリバリー / エマルション / タンパク質 / 鼻腔投与 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では,膜親和性集合体を内封したSolid-in-Oil-in-Water (S/O/W)エマルションに物理的(粒子径,形状,堅さ),化学的(細胞認識リガンド,粘膜付着性)修飾を行い機能化することで,タンパク質の嗅上皮粘膜からの脳内移行性の向上を目指した。 前年度に開発した固体S/O/Wエマルションを膜乳化技術により微細化し,さらに表面を粘膜付着性高分子でコーティングしたタンパク質キャリアを調製した。このエマルションをマウス鼻腔内に投与したところ,エマルション単独の投与ではタンパク質の脳への移行性がほとんど確認されなかったが,油脂分解酵素との併用で脳移行性が著しく向上することが判明した。粘膜上皮細胞モデルとして利用されるCaco-2細胞に対してタンパク質導入を評価した場合においても油分解酵素との併用がタンパク質の膜透過性に効果的であることが確認された。このことから,キャリアの鼻粘膜表面への集積性と内封した膜融合性集合体の粘膜透過性が作用すれば,タンパク質を効果的に脳へデリバリーできることが証明された。脳への移行性をさらに向上させるためには,鼻腔深部の嗅上皮細胞へキャリアを集積する必要があり,これを実現するデバイスの開発は今後の課題である。また,脳におけるタンパク質の医薬品としての効果の評価も実施していきたい。
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