2018 Fiscal Year Research-status Report
Design and synthesis of new concerted supported molecular catalysts
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18K18981
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
野村 琴広 首都大学東京, 理学研究科, 教授 (20304165)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 固定化分子触媒 / 協奏機能触媒 / 精密リビング重合 / 触媒設計 / 星型ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、特異な協奏機能反応場を形成する集積型の固定化分子触媒の創製と環境低負荷型の精密合成プロセスへの適用に関する。特に、遷移金属触媒による精密リビング重合と定量的な末端官能基化を基盤に、形状・組成を緻密に制御した星型・球状ポリマー表面に機能の異なる錯体や活性化剤を担持・固定化することで、単独では見られない、集積化に基づく特異な協奏機能(基質の活性化と触媒反応部位の隣接化、基質の2重活性化など)が発現する反応場を創製し、革新的な精密合成プロセスを開発することを最終目的としている。 2018年度までの研究成果を基に、モリブデン錯体触媒による(架橋剤共存下での)環状オレフィンのリビング開環メタセシス重合と各種アルデヒドによる末端官能基化(球状ポリマー表面への官能基導入)により、本課題の基盤となる分枝数の多い星型ポリマーの合成(in-out法、core-first法)・末端官能基化を確立した(学術論文として投稿・受理)。さらに、本課題で確立した特に二通りの手法による光機能性材料を合成し(星型表面への共役分子の導入)、協奏機能効果の発現(特異な光機能の発現)に関する基礎研究に取り組み、所定の成果も得ている。さらに、この手法に基づき、合成手法・分枝数の異なる星型ポリマー表面にチタン錯体触媒を固定化し、溶液XAFS測定を通じて、当初の期待通りに、いずれの固定化後も錯体触媒本来の構造が保持されている(錯体と基本構造に変化がない)ことを確認済である。従って、今後は目的機能の発現を指向した触媒材料の合成に取り組みたいと考えている。また、オレフィンメタセシスを利用した関連の共同研究にも取り組み、植物油からの効率化学変換に関する所定の成果を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今迄の成果を基に、基本となる合成手法を確立している(学術論文受理掲載済)。さらに、溶液XAFS測定・解析により、球状ポリマー表面に錯体触媒を固定化しても、触媒本来の構造が保持されることを確認している。この事実は、本課題のアプローチの特徴を強く示唆するもので、所期の成果が得られる可能性が大いに期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
既に基本となる合成手法は確立したので、目的材料の合成とその特徴を活かした触媒反応の開発に取り組むつもりである。
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Research Products
(11 results)