2018 Fiscal Year Research-status Report
Fabrication of graphene/graphene-nanoribbon superconductors
Project/Area Number |
18K18986
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 克明 東北大学, 理学研究科, 准教授 (70547306)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | グラフェン / グラフェンナノリボン / 超伝導 / ARPES |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では、世界的に行われていないグラフェン超伝導体およびグラフェンナノリボン超伝導体を実現するための金属被覆グラフェン・グラフェンナノリボンを作製し、申請者が得意とする材料の電子状態を直接観測することが可能なARPESを行うことで、それらの超伝導発現機構を解明することが目的である。 本年度は初年度のため、グラフェン超伝導体およびグラフェンナノリボン超伝導体開発のための実験装置の整備を行う。まず、グラフェン超伝導体およびグラフェンナノリボン超伝導体の作製を行うために、既存の真空チャンバをグラフェン関連材料作製装置に改良することを行なった。具体的には、SiC基板の通電加熱装置とSiC上に炭素原子を蒸着する蒸着源の制作と、グラフェン・グラフェンナノリボンに金属原子を被覆するためのLi, K, Rb, Ca等の金属原子用蒸着源を制作した。これらを既存の真空装置に設置するとともに、排気速度が高いイオンポンプを導入することで、試料作製時の真空1.0x10-10 Torrを達成した。作製したグラフェン関連材料は、既存の低速電子線回折装置を用いて試料表面の結晶構造を評価できるようにした。さらに、グラフェン関連材料作製装置と既存のARPES装置と連結することで、作製試料を大気に曝すことなく瞬時にARPES実験を行うことが可能とした。 上記装置を用いることで、グラフェン超伝導体開発を進めた。まず、SiC(0001)基板をArガス雰囲気中で1400°C程度に加熱することで高品質な単層グラフェンの作製を行なった。その表面に Kを超高真空内で蒸着することで、金属被覆グラフェン薄膜を作製した。その結果、グラフェンとは異なる新たな2x2の超周期構造を低速電子線回折装置によって観測した。今後ARPES実験を行うことでディラック電子やそれとは異なる電子状態の直接観測を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、グラフェン超伝導体およびグラフェンナノリボン超伝導体を実現するための実験装置の整備を円滑に進めることができたため、新たなK金属被覆グラフェンの作製を実現できた。また、新たな超周期構造を見いだすこともできたためおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は順調に実験装置の整備および金属被覆グラフェンの作製に成功したため、2年度目は予定通り、金属被覆グラフェンナノリボンの作製を進める。具体的には、まず高品質なグラフェンナノリボンを作製する。水素加熱処理をすることで得られた微傾斜SiC(0001)基板上に、超高真空で炭素原子を蒸着することでグラフェンナノリボンを作製する。その後、得られたグラフェンナノリボン表面にLi, K, Caなどの金属原子を蒸着することで、金属被覆ナノグラフェンを作製する。作製した金属被覆ナノグラフェンのARPES実験を行い、面内に量子化されたディラック電子等の直接観測と超伝導ギャップの直接観測による1次元超伝導の可能性とその起源について明らかにする。特にグラフェンナノリボンで形成するグラフェンエッジに局在したエッジ状態の直接観測から、エッジ状態とクーパー対との競合などについて明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] Superconducting graphene2018
Author(s)
K. Sugawara, T. Takahashi
Organizer
12th International Conference on Materials and Mechanisms of Superconductivity and High Temperature Superconductors
Int'l Joint Research / Invited
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