2020 Fiscal Year Research-status Report
Control of single magnetic spin in a semiconductor dot and its application
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18K18988
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒田 眞司 筑波大学, 数理物質系, 教授 (40221949)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | スピントロニクス / 単一スピン / 交換相互作用 / 量子ドット / 顕微分光 / スピン‐歪結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、遷移元素Crの原子1個を含むCdTe自己形成ドットにおいて、ドット中の単一Crスピンと格子振動との結合の詳細を解明し、格子振動によりスピンを制御する手法の開拓を目指している。分子線エピタキシー(MBE)法によりドット当たりちょうどCr原子1個を含むドット試料を作製し、表面弾性波(SAW)の発生下での単一Crスピンのドットの発光測定を行うことにより、SAWに伴う格子振動がCrスピン状態にどのような影響を及ぼすかを調べる。今年度は以下の研究を行った。 (1) CdTe自己形成ドット試料に対しSAW発生の試料構造を作製し、SAWによるドット発光の変調を観測した。ドット試料の表面に圧電層としてZnOを積層し、その表面に櫛形電極(IDT)を微細加工により作製し、周波数約1 GHzの交流電場を印加してSAWを発生させた。Cr原子を含まないCdTeドット試料に対してSAW発生下でのフォトルミネッセンス(PL)測定を行い、SAWによるドット発光の変調を確認することが出来た。 (2) SAW発生下で単一Crスピンのドットからの発光測定を行うためには、Cr原子1個を含むドットの形成割合を現在より向上させる必要がある。そのため、MBEによるドット試料の作製において、CdTeドット層を積層する際の成長条件(CdとTeの分子線の供給方法、成長温度、Cr分子線供給量 etc.)を再検討し、これらの成長条件の調整によりCr原子1個を含むドット形成割合の向上を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CdTe自己形成ドット試料にSAWを発生させるための試料構造の作製し、SAWによるドット発光の変調を確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
Cr原子1個を含むCdTeドット試料に対してSAWを発生させる試料構造を作製し、SAW発生下で単一Crスピンのドットからの発光測定を行う。
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Causes of Carryover |
今年度前半はコロナ禍のため大学キャンパスへの入構が規制され、実験を行うことが出来なかった。そのため、今年度の研究を当初の計画通り進めることができず、また予定していた学会への出張もなくなったため、次年度使用額が生じた。次年度は計画されていた実験の遂行のための経費として使用する予定である。
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Research Products
(8 results)