2020 Fiscal Year Research-status Report
原子ステップ型超平坦ポリマー基板上でのナノ構造構築とフレキシブル量子機能素子創製
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18K18995
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉本 護 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (20174998)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | ナノインプリント加工 / ワイドギャップ半導体 / 超平坦ポリマー表面 / 単結晶薄膜 / 酸化物薄膜 / ポリイミド / ナノ構造 / フレキシブル電子素子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、独自開発の原子レベル熱ナノインプリント加工法により、高透明シクロオレフィンCOP樹脂や高耐熱ポリイミド樹脂などのフレキシブルポリマー基板表面を、原子レベル周期的構造を有する超平坦にした後に、原子ステップエッジなどでの選択的結晶成長などを利用して、ZnO、Ga2O3などの半導性酸化物やハイドロキシアパタイトなどのナノワイヤー・ナノドット構造を直接ポリマー上に構築することで量子機能性を評価し,フレキシブル量子機能素子の創製をめざすものである。 本年度の研究においては、コロナ災禍のために約半年以上の実験不能期間があったが、2021年秋頃からようやく実験遂行が可能となり、鋳型として0.2~0.3nm高さの直線状原子ステップサファイア(単結晶アルミナ)基板や原子ステップ型CaF2単結晶基板を用いて、熱ナノインプリント装置により、真空下、熱収縮性非晶質ポリマーの軟化温度付近で、数MPa程度の加圧で、(加熱→型押し→離型)を経て原子レベルナノパターン転写を行った。その後、パルスレーザーアブレーション(PLD)室温成膜により、ポリマー基板上に、非晶質Ga2O3緩衝層を堆積した後、ZnO薄膜を堆積したところ、緩衝層のないポリマー基板直上に比べて、c軸配向結晶性の向上と電気伝導率の増加を見出した。この現象は緩衝層上でのc軸配向性ZnO結晶核の形成向上が起因していると思われた。これらの結果から、今後の研究展開により、高結晶性ZnO薄膜の量子機能発現が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年春からの新型コロナウイルス感染症の拡大による研究停止期間が半年以上にわたり、2021年秋頃からようやく研究再開になった。研究再開後は、これまでの実験空白期間を穴埋めすべく、普通以上に研究遂行をおこなった。その結果、種々の興味ある研究成果を挙げることができている。このため、当初予定よりも、研究進捗はやや遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
*2020年度に得られた成果をベースにして、ポリマー基板上での紫外エキシマランプ照射による物理化学表面修飾や、種々の酸化物緩衝層を使った成膜実験を行い、さらに成膜パラメーターや結晶化条件の最適化を図り、原子レベルパターン化ポリマー基板上でのZnOなどの高結晶性半導性酸化物薄膜のナノ構造(超薄膜、ナノ細線、ナノドットなど)の構築を系統的に行って、それらの光や電気特性における量子機能の評価を精力的に遂行する。
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Causes of Carryover |
(理由)2020年春からの新型コロナ感染拡大による出校停止等処置のため、研究停止期間が半年近くにわたり続いたために、実験に使用する消耗品等の購入が、想定以下に推移したことで、次年度使用額が生じた。 (使用計画)2021年度では、想定以上のより多くの成果を達成すべく、実験遂行をより加速して研究を進めることで、研究費目毎の使用を適切に実行するとともに、研究成果を国際的によりアピールすべく、種々の国際会議に精力的に参加する予定である。
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