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2018 Fiscal Year Research-status Report

長距離伝搬モードを利用した非プラズモニック金属のプラズモニクス利用

Research Project

Project/Area Number 18K18999
Research InstitutionNagoya Institute of Technology

Principal Investigator

池田 勝佳  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50321899)

Project Period (FY) 2018-06-29 – 2020-03-31
Keywords表面プラズモン / 長距離伝搬モード / 非プラズモニック金属
Outline of Annual Research Achievements

d電子に由来する機能性を持つ金属類は、光学材料としての観点からプラズモン共鳴特性に着目すると、そのd電子の寄与によってプラズモン減衰が大きく、プラズモニック金属としての利用は困難である。この本質的に二律背反な状況に関して、金属の電子状態に手を加えないでプラズモン共鳴を強める方策として、長距離伝搬型の表面プラズモンを利用する工夫が考えられる。
本年度は、様々な化学反応に対して高い触媒活性を持つことが知られている白金を例にとり、電磁場シミュレーションにより、励起波長633nmにおいて効率的に長距離伝搬型の表面プラズモンが励起される電極構造の設計を行った。さらに、シミュレーション結果に基づき、実際にプリズム基板上にPt薄膜層と低屈折率カップリング層を構築した。作成した電極構造に対して、励起光の入射角と波長に対する反射率の2次元計測を行い、シミュレーション予想を再現する結果が得られた。この結果、長距離伝搬モードを白金表面に励起し、強いプラズモン共鳴を得ることが可能であることを確認した。
また、d電子機能性とプラズモニックな光学特性の融合効果を検証するため、電解質水溶液中での試料の安定性を検証したところ、低屈折率カップリング層としてフッ化マグネシウムを利用した場合にはPt層との密着性に課題があり、フッ素樹脂系の低屈折率層の方が優れていることが明らかになった。
さらに、融合機能の検証を行うためのセルを設計・製作すると共に、長距離伝搬モードを利用した表面増強ラマン分光計測を可能にするために、ラマン測定装置の改良に着手した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

代表的な非プラズモニック金属である白金について、その表面で高いプラズモン増強場を実現するため、シミュレーション計算を活用した構造最適化を行い、更にその構造を実際に作成して長距離伝搬型の表面プラズモンを励起できることを実験的に確認することが出来た。本手法の有効性が原理的に示されたので、本手法によりプラズモン誘起される化学反応が白金の触媒効果との相乗効果で加速されること検証するため、表面反応のin-situ観察が必要であり、ラマン測定装置を改造中である。
以上より、研究計画に従って研究が順調に進行している状況にある。

Strategy for Future Research Activity

本年度はラマン測定装置の改良を終えて、長距離伝搬モードを使った表面増強効果によって非プラズモニック金属である白金表面の高感度な振動分光計測が可能になることを実証する。更に、複数の機能が融合した機能発現の例として、近年注目されているプラズモン誘起による光化学反応に着目し、長距離伝搬モードの励起と白金自身の触媒効果によって反応効率の加速がおこるかどうかを検証する。具体的には、上記の反応がプラズモニック金属である金表面にて報告されている分子系をモデルに使い、触媒活性の低い金表面と本研究でプラズモン励起が可能になった白金表面で比較を行い、白金の触媒効果との融合効果を検証する。

Causes of Carryover

測定装置の構築において、光学フィルターおよび光学部品類が多数必要であったことから、当該年度の物品費のうち、半分以上をこれらの消耗品費が占めていた。しかし、その後に採択された別の研究計画に関する助成金でこれらの消耗品を購入し、共用することが可能となった。したがって、本年度の研究計画については経費を抑えて遂行することが出来きた。次年度には、国際会議の招待講演を複数依頼され、予定外の旅費も支弁する必要が生じている。そこで、次年度予算と合わせて使用する方が予算の有効利用につながると判断した。

  • Research Products

    (3 results)

All 2019 2018

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Presentation] Ultra-low frequency SERS spectroscopy for in-situ observation of electrified interfaces2019

    • Author(s)
      Katsuyoshi Ikeda
    • Organizer
      ACS Spring 2019 National Meeting
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Ultra-Low Frequency SERS Spectroscopy for Characterizing and Controlling Metal/Molecule Junctions2018

    • Author(s)
      Katsuyoshi Ikeda
    • Organizer
      10th Asian Photochemistry Conference
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Pt 電極触媒の高感度観察に向けた長距離伝搬型表面プラズモンモードの研究2018

    • Author(s)
      池ヶ谷颯馬, 本林健太, 池田勝佳
    • Organizer
      第49回 中部化学関係学協会支部連合秋季大会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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