2018 Fiscal Year Research-status Report
Self-organized Formation of Ge-based Two-dimensional Crystals and Control of Crystalline Structure and Electronic State
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18K19020
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大田 晃生 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10553620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒澤 昌志 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (40715439)
洗平 昌晃 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (20537427)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 二次元結晶 / ゲルマネニウム / 電子物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、ゲルマニウム(Ge)系二次元結晶の形成プロセスを探求した。具体的には、化学溶液洗浄したGe(111)基板上にAlを真空蒸着法により形成し、二次元物質の下地となるAlの結晶性、表面平坦化、熱処理によるGeの表面偏析、表面偏析したGeの結晶性などを、Al膜厚や熱処理をパラメータとして系統的に評価した。X線回折および電子線後方散乱回折法より、膜厚45nmのAlにおいて、最表面の結晶構造が(111)に均一に配向しており、へテロエピタキシャル成長していることが示された。また、Alを堆積した後、大気暴露することなく真空中で300度の熱処理をすることで、表面平坦化が進行することを明らかにした。このとき、Al表面の平坦化に加えて、下地Alの結晶の均一性も向上することが分かった。X線光電子分光分析より、200度以上の真空中熱処理により、Al酸化膜/Al界面にGeを析出できることが分かった。表面に形成するAl酸化膜の平均膜厚は5nm程度であり、界面に析出したGeは、200度から400度の範囲では熱処理温度に対してほぼ線形に増大する。300度で熱処理した場合では、処理時間依存性が認められず、析出したGe層の平均膜厚でおよそ0.5nmであった。さらに、ラマン散乱分光や透過電子顕微鏡より、熱処理によって高い結晶性のGeが析出することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はゲルマニウム系二次元結晶の形成プロセスを精査し、当初計画で目標としたGe基板上でのAlのヘテロエピタキシャル成長や熱処理によりサブナノメートルの極薄Ge層の表面偏析などを達成することができ、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
二年度目は、初年度に続き、エピタキシャル金属上の二次元結晶の自己組織化方法を深耕するとともに、二次元結晶の基礎物性・電子物性を明らかにすることに注力して研究を推進する。具体的には、面方位の異なる下地基板上でのGe析出を調べその形成メカニズムを探求する。さらに、デバイス応用に適する大面積形成が可能となれば、形成した二次元結晶をSi熱酸化/Si基板への転写技術を確立し、Ge基板のエッチングやAl層をパターニングを行い、電気特性による評価を試みる。
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Research Products
(9 results)