2018 Fiscal Year Research-status Report
Direct bonding of widegap semiconductors and diamond for high-efficiency devices and investigation of bonding interface characteristics
Project/Area Number |
18K19034
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
重川 直輝 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (60583698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嘉数 誠 佐賀大学, 理工学部, 教授 (50393731)
梁 剣波 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 講師 (80757013)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | ダイヤモンド / 直接接合 / 界面中間層 / 熱処理 / Si / Al / Cu |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の3つの側面で研究を実施した。 (1)異種材料の低温直接接合は、接合された材料間の熱膨張係数差により耐熱性不足が懸念される。事前検討により、ダイヤモンドとSiの熱膨張係数差にもかかわらず、ダイヤ/Si直接接合界面は1000℃という優れた耐熱性を持つことを明らかにしている。本研究では、ワイドギャップ材料との接合実現、素子化検討の準備段階として、ダイヤ/Si接合の耐熱性を活かして、Si基板に接合されたダイヤ上にFET用のダイヤ層をエピタキシャル成長した。更にFET作製、動作実証を行った。ダイヤ層製膜やその後のプロセスでは最高温度800℃まで試料が加熱される。FET動作実現に至ったことにより界面が実用レベルの耐熱性を持つことを実証した。 (2)更に、界面のダイヤ/Si直接接合の熱処理による応力変化、界面の組成変化をラマン散乱、Si基板除去後のXPS測定により行った。その結果、熱処理によって界面に発生する応力が小さくなることを明らかにするとともに、原因として熱処理時に生ずるSiとダイヤの中間層(SiC)が歪の効果を緩和している可能性を示した。 (3)応用面では、多結晶ダイヤ/Al接合、多結晶ダイヤ/Cu接合を実現した。ダイヤ/Al接合の昇温下での断面TEM観察を行い、金属の融点付近までに耐熱性を実証した(ダイヤ/Al:600℃、ダイヤ/Cu:1000℃)。更に、ダイヤモンド/GaAs直接接合を実現し、GaAs素子に通電してサーモグラフィーによる温度上昇を評価した。サファイア上のGaAs素子と比較して温度上昇が小さいことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ダイヤモンドと様々な半導体との接合界面形成、評価は順調に進んでいる。それに加えて、 当初計画では予定していなかった、多結晶ダイヤモンドの接合に着手した。ヒートシンク用材料であるAlやCuと多結晶ダイヤが接合可能であること、断面TEM観察により接合界面が金属材料の融点付近の温度に対しても安定しており優れた耐熱性を示すこと、を明らかにした。すなわち、ダイヤモンドを実装基板とするパワーモジュールにおいて、ダイヤとヒートシンク間にも直接接合を導入可能であることが示されており、実用上の価値は極めて高い。また、今回の結果はダイヤモンド/金属接合界面の混晶形成という材料科学上新たな展開を提供しており、学術に関する貢献も大きいと認識される。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の方向性で研究を進める。 (1)ダイヤ/Si接合で行った熱処理後のラマン散乱やXPSによる界面評価を他の接合へと展開し、直接接合界面に共通する優れた耐熱性の起源を明らかにする。 (2)従来の異種材料の接合では、様々な中間層が用いられており、中間層の熱抵抗が界面の熱抵抗を制限していた。我々の強みである中間層無という特徴を生かしてナノスケールでの界面物性の実験検討を行う。具体的には、接合界面における界面熱抵抗の決定メカニズムの解明を目指し、ダイヤと異種材料の直接接合界面の熱抵抗を測定する。これらの研究により、ヒートスプレッダ、低熱抵抗・高耐熱性実装材料としてダイヤモンドの究極のポテンシャルを明らかにする。 (3)実用面では、様々な材料との接合実現によって達成したノウハウを生かして、ダイヤモンドとGaN等のワイドギャップ半導体との直接接合を実現する。他機関ではいまだ実現されていない、中間層を導入しないGaN/ダイヤモンド接合を実現することにより、GaN-on-diamond研究開発において世界をリードする成果をあげる。
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Causes of Carryover |
ダイヤモンドと金属材料の直接接合に関する研究成果の学会(国際会議)発表を、特許の出願・公開のタイミングを考慮して2019年度に行う事としたため次年度使用額が発生した。該当金額は2019年度に旅費及び学会参加費(その他)として使用の予定である。
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