2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K19044
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
神原 信志 岐阜大学, 大学院工学研究科, 教授 (80362177)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 水素 / 過熱水蒸気 / プラズマ / 水素分離膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
CO2フリー水素製造技術は燃料電池モビリティにとって必要不可欠の技術であるが,現行の水電解法は装置コスト高・消費電力大であり,水素単価が高いことが課題である。本研究では,装置のコストダウンと省エネルギー化が格段に見込める新規の水素製造装置の開発を行なう。独創性ある平板型プラズマメンブレンリアクターを用いて,過熱水蒸気からプラズマでプロトンを得て,水素分離膜により高純度水素を得る装置を開発する。 本研究の全体計画は,実験装置を準備した後,過熱水蒸気の温度,流量,印加電圧,流路幅,流路深さを変化させて水素転換率を実測し,高純度水素を高効率に得る反応条件と流路構造を決定することである。その後,実用化に資するモジュール型リアクターを設計・製作し,エネルギー効率およびシステム効率の定量化により,実用化評価を行なうレベルまで取組む計画である。また,プラズマによるプロトン生成についての素反応シミュレーション技術を確立し,装置設計の一助とする。 100℃の飽和水蒸気を原料に,放電分解による水素製造実験を行なったところ,消費電力90Wで0.4 L/minの水素製造に成功した。この結果をもとに,平板型プラズマメンブレンリアクターを設計・製作した。また,過熱水蒸気発生装置を導入した。今後,過熱水蒸気を放電分解し,プロトンを生成しながら水素分離膜で連続的に高純度水素を得るという斬新な発想で,最大水素流量が得られるプラズマ条件と装置構造を決定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
期間2年のうち,初年度は新規リアクターの設計・製作および過熱水蒸気製造装置の導入を目標としている。飽和水蒸気の放電雲海データをもとに新規リアクターを試作し,過熱水蒸気製造装置を導入できた。計画通りの進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
過熱水蒸気を原料として,以下のパラメーターを変化させて,平板型プラズマメンブレンリアクターの高純度水素製造能力を調べ,消費電力最小化と水素転換率最大化を検討する。このリアクターで,水素製造量50L/h = 0.83 L/min以上,消費電力100W以下となる条件を探索し,実用化装置(モジュール)開発につなげる。 ①平板流路の溝幅(2mm, 5mm),深さ(2mm, 5mm),流路の片の長さ(5cm角,10cm角) ②過熱水蒸気温度(150℃~500℃),過熱水蒸気流量(0.1 L/min~3 L/min) ③水素分離膜膜厚(20μm, 15μm) ④印加電圧(10kV~25kV),周波数(5kHz, 10kHz)
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Research Products
(4 results)