2019 Fiscal Year Annual Research Report
Displacement Control of Crystals of Metallocene-Containing Rotaxanes and Its Use to Cantilever Functions
Project/Area Number |
18K19095
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小坂田 耕太郎 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (00152455)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | ロタキサン / メタロセン / 光照射 / 単結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
含メタロセンロタキサン単結晶の光照射による結晶変位の原理を明らかにするために、前年度作成したフェロセンのアルキル誘導体に加えて、配位子置換基としてアセチル基をはじめとする各種官能基を有するフェロセン誘導体のアンモニウム塩を合成し、そのクラウンエーテルとのロタキサンの単結晶を作成した。クラウンエーテルとして、比較的剛直な構造を形成し、アンモニウムと安定な錯体を形成するジベンゾ-18-クラウン-6を主に用いたが、比較のために、より大きい空孔を有するジベンゾ-24-クラウン-8をあわせて用いた。構造パラメーターは通常の含アンモニウムフェロセン類とほぼ同様であったが、結晶中でのコンフォメーションは異なっていた。電気化学測定において、フェロセン部分の酸化還元電位は、配位子の置換基の電子的性質によることを明らかにした。別反応で合成した六核パラジウム錯体において、そのチオラト配位子上の芳香族置換基を検討したところ、置換基のハメットパラメーターと酸化還元電位が相関をもち、その度合い(σ値)が上記フェロセン誘導体の性質の変化と同程度であることを明らかにした。フェロセン誘導体の吸収スペクトルを測定し、その最大吸収波長が480-550 nmの範囲に分散し、そのために光照射波長や光強度を調節できる一連の化合物群を合成できた。さらに、電子吸引性置換基を有するニッケロセンの合成を行い、容易に酸化される20電子系メタロセン系として比較した。これらのメタロセンは溶液中では不安定であり、各種測定を行うことができなかった。単結晶を作成し、基礎的な固体の性質を評価した。
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