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2018 Fiscal Year Research-status Report

Thermal insulating foam using conducting polymer with thermoelectric property

Research Project

Project/Area Number 18K19106
Research InstitutionTokyo University of Agriculture and Technology

Principal Investigator

下村 武史  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40292768)

Project Period (FY) 2018-06-29 – 2020-03-31
Keywords導電性高分子 / 発泡体 / ウレタン / 熱電変換
Outline of Annual Research Achievements

導電性高分子として、ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)およびポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)ナノファイバーを用い、マトリクスウレタンフォームとして、硬質ウレタンおよび軟質ウレタンを用いて、導電性高分子をコンポジットした発泡ウレタンフォームの作製を試みた。
PEDOT:PSSを用いたものは分散媒である水がイソシアネートと反応してしまうため、十分なウレタン骨格を形成することができず、濃度を様々に変えて作製を試みたが、形状を維持したウレタンフォームを形成することができなかった。一方、P3HTナノファイバーを用いたものは、硬質ウレタン、軟質ウレタンともにウレタンフォームを形成することができた。
硬質ウレタンに関しては色が不均一で、P3HTが上下底面付近にP3HTナノファイバーは偏在する傾向があり、均一なものを作製することができなかった。また、塩化金アセトニトリル溶液でドーピングを試みたが、電気が流れなかった。このことから、現時点では硬質ウレタンフォーム内に有効な導電性高分子のネットワーク形成が困難であると結論している。
軟質ウレタンに関しては色も紫色で均一な発泡ウレタンフォームを作製することができた。ただし、現時点では発泡倍率が2倍程度と、導電性高分子を混合しない状態での発泡倍率まで達しておらず、導電性高分子が発泡を阻害している様子が見られた。このウレタンフォームを塩化金アセトニトリル溶液でドーピングを試みたところ、色変化によりドーピングが機能している様子が観察された。次に電気伝導に関して調査を行ったところ、14 nS/cmの導電率をもつことが確認された。まだ、ドーピング方法に課題があるが、ウレタンフォームの中に導電性高分子のネットワークを形成することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本来想定した材料のうち、導電性高分子としてPEDOT:PSS、ウレタンとして硬質ウレタンを用いたものでは、電気の流れるウレタンフォームを作製することができなかったことは、想定外であった。しかし、導電性高分子としてP3HTナノファイバー、ウレタンとして軟質ウレタンフォームを用いたもので、電気が流れるウレタンフォームを作製することができたため、まだ、公表できる成果としては少ないが、計画は順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

導電率を向上させるためドーピング方法の改良を実施する。現在の塩化金は強いドーパントではないため、テトラシアノキノンジメタンなどの強力な酸化剤を用いて、導電率の向上を行う。
その後、ゼーベック係数の測定、熱伝導率の測定を行い、熱電変換性能を評価する。既存のソースメジャー測定器およびナノボルトメータを用いてゼーベック係数の測定を実施する。測定環境は既存のクライオスタットまたはグロ ーブボックス中で、真空またはアルゴン雰囲気下において、ヒーターと冷凍機またはペルチェ素子を用いて温度コントロールしながら実施する。より現実の使用を考えて、大気中で冷却をしない自然放熱状態での測定も実施する。熱伝導率の測定は、既存の周期加熱型の熱拡散率測定器、示差走査熱量測定器、ピクノメータを用いて実施する。これまでに確立した測定法であるため、実施に問題はない。実用的な使用も考えて、大気中で冷却をしない自然放熱状態で同様の測定も実施する。
各種データが揃ったところで、変換効率(無次元性能指数)および起電力の見積もりを行い、実際に電子オルゴールやLEDをつないでデモストレーションができるだけの面積を算出し、それを用いたプロトタイプの製作を行う。これまでに実施してきた化学発泡や凍結乾燥のサンプル、ナノファイバーマットのサンプルの結果から考えて、ドーパント条件の最適化を行った上で、100°Cの熱源で均一に片面を加熱したときに、面積30×30 cm2、厚さ1 cmのサイズをもったブロックを作製すれば目的は達せられると見積もっている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2018

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] P3HTナノファイバー複合膜の熱電特性2018

    • Author(s)
      須見 莉早子
    • Organizer
      平成30年度繊維学会秋季研究発表会
  • [Presentation] 強度向上のためポリロタキサン複合したPEDOTフィルムの作製と電気物性2018

    • Author(s)
      岡田 萌
    • Organizer
      平成30年度繊維学会秋季研究発表会
  • [Presentation] P3HT ナノファイバー複合膜のインピーダンス測定2018

    • Author(s)
      須見 莉早子
    • Organizer
      平成30年度繊維学会年次大会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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