2019 Fiscal Year Annual Research Report
Thermal insulating foam using conducting polymer with thermoelectric property
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18K19106
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
下村 武史 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40292768)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 導電性高分子 / 発泡体 / 熱電変換 / ウレタン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度実施した研究から、軟質ウレタンフォームが半導体性フィラーとなる導電性高分子ナノファイバーと親和性が高く、比較的均一に分散し、導電性を示すことが明らかとなったため、本年度は軟質ウレタンフォームに集中して、実験を実施した。 発泡倍率は3倍程度と、フィラーを加えないときに比べると小さいものの、密度0.1~0.2g/cm3と比較的低密度のウレタンフォームを作製することができた。これをヨウ素で気相ドーピングを行い、熱電性能の評価を実施した。 導電性高分子ナノファイバーの量を増やすと導電率は上昇したが、ウレタンフォームの原料であるポリオールと導電性高分子の比率が重量比で1.2w%を超えると、導電率の上昇はほとんど見られなくなり、データのばらつきが大きくなる傾向があった。これは導電性高分子ナノファイバーが十分に分散できなくなり、不均一性が顕れたと考えられる。重量比1.13w%で導電率は最大0.04mS/cmが得られた。 このウレタンフォームにおいて熱電性能の発現を示す熱起電力を観測することができた。ゼーベック係数は導電性高分子の重量比が0.75w%を超えると測定が可能となり、それより重量比をあげても大きな変化はみられず、2~4mV/Kというかなり大きな値を示した。本来、ゼーベック係数は導電率とトレードオフな関係が得られるはずだが、この関係が得られていない理由は、変化させることができる導電性高分子の重量比の幅が狭く、試料状態のばらつきに傾向が隠されてしまっていると考えられる。 パワーファクターは実用化を考えると、まだ3桁程度小さいため、ドーピング方法の改良による導電率の向上が必要と考えられる。導電性高分子が本来示す導電率から考えて、あと3~4桁の上昇は可能であり、その際、ゼーベック係数の低下を1桁程度に抑えることができれば、実用化が視野に入ると思われる。
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Research Products
(16 results)