2019 Fiscal Year Annual Research Report
New Syhtnetic Stratedy of Cyclic Vinyl Polymers via Ring-Closing of Telechelic Polymers without Need of Highly Diluted Conditions
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18K19112
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
高須 昭則 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30303697)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 環状高分子 / 無希釈条件 / ソルビン酸エステル / メタクリル酸メチル(MMA) / メタクリル酸アリル(AMA) / 直接観察 / 透過型電子顕微鏡(TEM) / 原子間力顕微鏡(AFM) |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の結果を踏まえて、N-ヘテロ環状カルベンの1つである1,3-ジ-tert-ブチルイミダゾール-2-イリデン(NHCtBu)を用い、ルイス酸存在下で種々のビニルモノマーのアニオン重合を検討した(ビニルモノマーの拡張)。アクリル酸メチル(MMA)のアニオン重合では、ルイス酸存在下では、プロトン移動を制御でき環状高分子が生成されると期待したが、線状ポリマーが得られた。次に1,2-二置換性モノマーのクロトン酸メチルの重合を検討した。開始末端隣接の炭素上の水素原子が1つしかなくプロトン移動が起きにくいと考えた。NHCtBu/ルイス酸触媒系を検討したところ、Rauhut-Currier反応が起きてhead-to-tail型の二量体が得られた。このように、重合が開始すると開始末端のNHCtBu自身がカチオン性を有し、NHCに隣接するモノマーユニット中の水素の酸性度が高くなり、成長アニオンによって引き抜かれてしまう。一方、ソルビン酸エステル類は開始末端隣接のモノマーユニット中の水素原子は三級炭素と二重結合に結合しており、引き抜かれにくい。よって、NHCとソルビン酸エステルの1:1付加体を開始剤に用いれば種々のビニルモノマーへの拡張が可能になると考えた。実際、この開始剤を用いるとMMAとメタクリル酸アリル(AMA)のアニオン重合が進行し、無希釈条件下で環状のポリアクリレートが合成できることがわかった。最後に側鎖のアリル基に長鎖アルキル鎖を導入すると、透過型電子顕微鏡で環状構造を直接観察することができ、線状の高分子の存在は確認できなかった。これにより、この革新的新規合成法(学術的な意義)の信頼性が高くなり、本年度は、論文執筆2編および招待講演2件を含む9件の学会発表(うち国際学会3件)を行った。
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Research Products
(11 results)