2018 Fiscal Year Research-status Report
Does the crystalline lens become harder with aging?
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18K19119
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安中 雅彦 九州大学, 理学研究院, 教授 (40282446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 豊明 奈良県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10238959)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | ハイドロゲル / 水晶体 / 弾性率 / ブリルアン散乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「生きたままの状態」で水晶体調節機能の解明することにある。調節機能は,水晶体の力学物性が密接に関係していると考えられるために, 2018年度は非侵襲的に計測することを実現するために,高速かつ高空間分解能な3次元弾性イメージングをin situ かつ in vivo条件で実現するブリルアン散乱光学系を作成した。 ブリルアン散乱法は,試料の粘弾性的性質を非侵襲的に直接測定可能な方法として有用であり,本研究で対象とする水晶体の力学物性の観測にも有用である。しかしながら,Fabry-Perot干渉計,grating-basedモノクロメーター,あるいは光ビート法を用いる従来の光学系は,計測に長時間を有するため,計測をpoint samplingからイメージングへ拡張することは実用上不可能であった。この問題を解決するために,本研究課題では,ブリルアン散乱系からの散乱光の分光にVIPA etalonをタンデム型で導入した分光器を作成し,散乱光をシングルモード光ファイバーで分光器に導入することで,オプティカルセクショニングにより深さ方向の情報の取り込み可能な共焦点ブリルアン顕微鏡システムした。高速・高分解能で3次元弾性イメージングを行い,試料の局所的な粘弾性情報とその空間分布計測を実現した。 本年度は,装置性能の確認の為に,水晶体の計測に先だってアクリルアミドゲルの測定を行った。ゲル表面方向100μmステップ,さらに共焦点光学系を利用して光軸方向100μmステップで3次元弾性イメージング計測を行い,ゲルの粘弾性情報の空間分布を,各測定点での測定時間1秒程度で非侵襲的な測定を可能にした。さらに,ブリルアン弾性率とレオメーターを用いた測定から得られた弾性率との比較検討を行い,ゲル水分量をパラメータとした相関関係を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的である,高速・高分解能で3次元弾性イメージングをを可能にする顕微光学系の作成,およびハイドロゲル(アクリルアミドゲル)を試料として,その局所的な粘弾性情報とその空間分布計測を実現することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
水晶体線維は新旧の形成に応じ,周辺部の水晶体皮質と中心部の水晶体核に分けられる。水晶体皮質には水晶体線維が形成するラメラ構造が確認されるのに対して,水晶体核では水晶体線維が古く明確なラメラ構造は消失している。従って,水晶体核をコア,水晶体上皮をラメラ構造型シェルとするコア・シェル構造を有する超分子構造体ゲルと捉えることが出来る。水晶体の硬化は,加齢による調節力の低下と密接に関連していると考えられる。そこで次年度は,作成したブリルアン散乱システムを利用して,まず豚正常眼の摘出水晶体を試料として,水晶体表面方向100μmステップ,さらに共焦点光学系を利用して光軸方向100μmステップで3次元弾性イメージング計測を行い,水晶体ゲルの粘弾性情報の空間分布を明らかにする。特に水晶体皮質と水晶体核の力学物性の違いを非侵襲的に明らかにする。測定では,個体差を顧慮し,それぞれの条件でn = 20程度の測定を行う。 これまで水晶体の力学物性は,摘出試料を用いてレオメーターにより侵襲的に検討されてきたが,房水と水晶体上皮細胞との間の代謝が遮断されることによる水晶体の構造,形状の変化は,水晶体物性に対して大きな影響をもたらすと考えられる。これは,この方法論を将来的に臨床に応用展開する上でも重要である。そこで本申請課題では,ブリルアン散乱用分光計にタンデムVIPA利用することで,これまでブリルアン散乱を生体物質の弾性イメージングに拡張することを妨げていたサブGHz分解能とハイスループットを実現することが期待できる。そこで「生きたままの状態」で水晶体の力学物性を解明することは極めて重要である。さらに,白色家兎を用いた「生きたままの状態の水晶体」の力学物性の測定に取りかかれる予定である。
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Causes of Carryover |
装置性能確認ために,水晶体モデル化合物合成用として購入予定であった「多分岐高分子化合物」の在庫が国内外になく,納期に時間を要したため。
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Research Products
(2 results)