2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of anion batteries
Project/Area Number |
18K19124
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 將史 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (20453673)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 蓄電池 / 軟X線発光 / 酸化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
現行のリチウムイオン電池は研究開発の進展とともに性能の限界に近づきつつあり、新しい電極反応機構に立脚した革新的蓄電デバイスの開発が望まれている。特に、リチウムイオンの挿入脱離反応に伴う遷移金属イオンの酸化還元反応だけでは、未来社会における要求性能をエネルギー密度の観点で満たすことは難しい。そこで、本研究は、革新的蓄電デバイスの開発を目指し、アニオンを基盤とする固体電気化学反応を開拓する。 2019年度においては、酸化物イオンを酸化還元中心とする電極材料の解析技術を新たに開発した。すなわち、放射光軟X線発光分光スペクトルを用いることで、酸化物イオンの酸化状態、遷移金属との結合状態を精密に評価することが可能であることを見出した。特に、酸化還元が可能な酸化物イオンの軌道がバンド構造から孤立していることを直接観察することに成功し、また、充電に伴ってこの軌道が酸化され、バンドへ混成して正孔を安定化していることが分かった。更に、電子状態計算から、酸化物イオンの孤立した2p軌道が実際に存在していること、酸化に伴い遷移金属との軌道混成が著しく強まり、バンドへ混成することが分かり、軟X線発光分光により観測された状態変化を確認することにも成功した。以上の成果は、今後様々な酸化物材料系への展開が可能であり、波及効果の高いものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
アニオンの化学状態を直接観察し、また、酸化還元に伴う変化を確認することに成功し、研究計画の更なる発展が見込まれる解析技術の確立に資するため、当初の計画以上に進展している、と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
アニオンを基盤とする電極材料、更には、それを用いた革新的な蓄電デバイスの開拓に向け、材料開発を一層推進する。特に、2019年度に開発された放射光軟X線発光分光を用いたアニオンの状態分析技術を合成した材料に適用することで、効率的な材料開発を進める。また、得られた材料で優れた電気化学特性が得られた場合、デバイスの試作まで実施する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Multiorbital bond formation for stable oxygen-redox reaction in battery electrodes2020
Author(s)
Takaaki Sudayama, Kazuki Uehara, Takahiro Mukai, Daisuke Asakura, Xiang-Mei Shi, Akihisa Tsuchimoto, Benoit Mortemard de Boisse, Tatau Shimada, Eriko Watanabe, Yoshihisa Harada, Masanobu Nakayama, Masashi Okubo and Atsuo Yamada
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Journal Title
Energy Environ. Sci.
Volume: 1
Pages: 1
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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