2018 Fiscal Year Research-status Report
PET代謝が実現するポリエステルリファイナリー技術の開発
Project/Area Number |
18K19177
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 昭介 奈良先端科学技術大学院大学, 研究推進機構, 特任准教授 (80610766)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 遺伝子破壊 / PET / 代謝工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリエチレンテレフタレート (PET)は、ペットボトルや衣服の繊維などに汎用される主要なプラスチックのひとつであるが、化学的に非常に安定で自然界では分解されない。従来のPETリサイクル手法は、膨大なエネルギーを消費し、激烈な薬剤を使用するなど、高コスト・高環境負荷である。本研究では、PETを完全に分解・代謝する細菌Ideonella sakaiensisを用いて迅速に、効率良く、低い培養コストでPETを有用化合物への転換を図ることを目指している。本年度は、I. sakaiensisの代謝工学を進めるための基盤を構築するために、遺伝子破壊系の構築について研究を進めた。プラスミドはIdeonella近縁種において同目的で使用されるものを用いた。抗生物質耐性遺伝子を選択マーカーとするために、種々の抗生物質に対する本菌の感受性を調べた結果、複数の抗生物質において感受性が認められた。そこで抗生物質耐性を指標とした遺伝子導入条件の検討を行った。以上の条件を用いて、ゲノムと相同領域をもつプラスミドを導入したところ、本菌の形質転換が認められた。さらに、GC含量が70%以上である本菌に対するPCRの条件検討を行い、精度を向上させることができた。これによりプラスミドが相同組換えによりゲノムの任意の箇所に組み込まれることを確認することができた。現在はダブルクロスオーバー相同組換えによる遺伝子破壊について、条件の最適化を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子破壊系の構築に前進が認められたが、完成にはいたっていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子破壊系の構築、最適化を進める。さらに本系を用いて任意の遺伝子を破壊し、I. sakaiensisの代謝を改変する。
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Causes of Carryover |
初年度に計画した研究に若干の遅れが生じたため、一部の試薬等の消耗品の購入が後回しとなった。該当研究計画は速やかに実行する。
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Research Products
(5 results)