2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the true vitamin C recycling system in plants
Project/Area Number |
18K19179
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
丸田 隆典 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 准教授 (50607439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 貴央 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 准教授 (80603802)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | アスコルビン酸 / デヒドロアスコルビン酸 / シロイヌナズナ / グルタチオン / デヒドロアスコルビン酸還元酵素 / モノデヒドロアスコルビン酸還元酵素 / 環境応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、植物におけるアスコルビン酸の再生機構の解明を目的として、1)既知の再生酵素の生理機能の解明、2)新規の再生経路の探究を試みた。 1)デヒドロアスコルビン酸還元酵素(DHAR)およびモノデヒドロアスコルビン酸還元酵素(MDAR)の生理機能について、シロイヌナズナの遺伝子破壊株を用いて解析した。全三つのDHARを全て破壊したΔdhar三重欠損株では、DHAR活性がほぼゼロにまで低下したが、通常条件でのアスコルビン酸プロファイルには影響が見られなかった。強光条件でのアスコルビン酸の高蓄積はΔdhar株で抑制されたが、野生株との差はわずかであった。また、MDARについても同様の解析を試みたが、野生株との違いは見つけることはできなかった。前年度までの結果がさらにブラッシュアップされ、新規再生経路の存在が強く示唆された。 2)DHARの機能を補う仕組みとしてグルタチオンに着目した。前年度までに明らかにした通り、Δdhar三重欠損株にグルタチオン欠乏変異を導入することにより、強光条件でのアスコルビン酸の蓄積がほぼ完全に抑えられた。そこで、この結果がアスコルビン酸分解の促進に起因するかどうか調べるため、分解産物を定量したところ、上記四重変異株ではその高蓄積が認められた。さらに、四重変異株は強光ストレスに極めて脆弱であることも明らかになり、DHARとグルタチオンの協働によるアスコルビン酸再生が強光ストレス防御に不可欠であることを初めて証明した。さらに、新規のDHARを探索するため、デヒドロアスコルビン酸(DHA)によってシステインの酸化修飾を受けるタンパク質の同定を試みた。スルフェン酸特異的プローブを利用したプロテオーム解析により、DHAにより酸化修飾を受けるペプチドを複数同定したが、これらがDHA還元活性を持つかどうかは明らかにすることはできなかった。
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Research Products
(6 results)