2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a method for enzymatic protein modification with polyamine chains
Project/Area Number |
18K19180
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
池田 丈 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 助教 (10505754)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 細菌 / ケイ素 / ポリアミン |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリアミンは2個以上のアミノ基を有する通例直鎖上の炭化水素であり、短鎖のポリアミンは全ての生物に共通して高濃度で存在する。一方、一部の生物には非常に多くのアミノ基を有する長鎖ポリアミン(long-chain polyamine; LCPA)が存在することが知られていたが、その生合成経路は不明であった。本研究の目的は、中温性細菌が有する長鎖ポリアミン合成酵素を同定し、本酵素が有すると予想されるアミノプロピル基付加活性を利用することで、タンパク質を酵素的にポリアミンで修飾する技術を開発することである。タンパク質をポリアミン修飾することで、タンパク質に対して細胞膜透過効果の付与やシリカに対する結合性の付与が可能になると期待される。 平成30年度の研究において、長鎖ポリアミン合成酵素をコードしていると予想される遺伝子を大腸菌に導入し、発現した組換えタンパク質を精製したが、アミノプロピル基付加活性は認められなかった。令和元年度の研究において酵素反応の条件ならびに生成物の検出法を見直した結果、組換えタンパク質がアミノプロピル基付加活性を発揮することを確認できた。基質特異性の評価を行ったところ、予想通り鎖長の異なる複数のポリアミンを基質としうる基質特異性の低い酵素であることが確かめられた。 ポリアミンによく似た側鎖を有するアミノ酸であるリジンに対してもアミノプロピル基付加活性を発揮できるか評価を試みたが、本反応においてアミノプロピル基の供与体として働くdecarboxylated adenosylmethionineもしくはその前駆体であるS-adenosylmethionineに対してもアミノプロピル基付加反応が生じたため正確な評価ができなかった。リジンに対する活性についてはより詳細な検討が必要だと考えられる。
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