2018 Fiscal Year Research-status Report
Growth controlling mechanism of previously uncultivated microorganisms
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18K19181
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
青井 議輝 広島大学, 先端物質科学研究科, 准教授 (40386636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 洋一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60282696)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | Nitrospira / 休眠・覚醒 / 分離精製 / バイオアッセイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、申請者が新規分離培養手法を用いて獲得したNitrospiraの純粋菌株を難培養性微生物のモデルとして用いて,未知増殖制御メカニズムを発見し解明することである。具体的には,休眠から覚醒状態(増殖 )に移行させる微生物間相互作用の発見と解明を目標としている。そのために1)Nitrospiraを用いた休眠と覚醒現象の発見、2)未知覚醒因子の探索(目的化合物の分離と同定),3)休眠と覚醒状態の遺伝子発現パターンの比較解析,4)現象の普遍性の確認(他の微生物における同様の現象の確認)を計画しており、今年度は主に1)および2)について検討した。 1. Nitrospiraを用いた休眠と覚醒現象の発見: セルソーターを用いて植菌,培養,検出をハイスループットに行い,休眠から覚醒した割合,覚醒効率(増殖が見られたwell/全 well)を正確かつ簡易に測定する方法を構築した。増殖の有無は基質である亜硝酸の消費をザルツマン法(比色分析)で検出して判別することで判別可能である。一方で、当初の計画にはなかったが、セルソーターを用いずに限界希釈により植菌することでも効率的にNitrospiraの休眠からの覚醒を検出することに成功した。 2. 未知覚醒因子の探索(目的化合物の分離と同定): Nitrospira自身は休眠しやすく覚醒因子と想定される化合物の存在と基質となる亜硝酸の存在下で覚醒して増殖することが判明した。そこで、覚醒因子を分画・分離精製を繰り返して最終的に化合物を特定することを試みた。その際,有機物について各種分離カラムを用いて分画し、上記のバイオアッセイを指標にして,覚醒因子が含まれている画分を判別しながら進めた。現在、分離精製作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Nitrospiraの純粋菌株の休眠と覚醒現象の発見、バイオアッセイ方法の構築については想定通り順調に進んでいる。一方で、覚醒因子の分離精製については、Nitrospiraの増殖速度の遅さがネックとなりバイオアッセイに想定以上の時間がかかるため若干の遅れが生じている。このため達成度は上記のとおりとした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の全体計画は以下の内容(項目)から構成されている、1)Nitrospiraを用いた休眠と覚醒現象の発見、2)未知覚醒因子の探索(目的化合物の分離と同定),3)休眠と覚醒状態の遺伝子発現パターンの比較解析,4)現象の普遍性の確認(他の微生物における同様の現象の確認)、である。そのうち項目1)、2)はH30年度で実施したため、今後は項目3)および4)を開始することを計画しているが、項目2)の目的化合物の分離と同定についても同時並行的に引き続き検討を続ける。
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Causes of Carryover |
今年度は、バイオアッセイの構築および構築したバイオアッセイと組み合わせた化合物の分離精製を検討したが、想定以上に1回のバイオアッセイに時間がかかることが判明した。その結果、バイオアッセイと化合物の分離精製のサイクルの回数が想定よりも少なくなったため消耗品などの購入が少なくなり、当該年度の支出が少なくなり次年度使用額が生じた。次年度においては、当初の計画通り、全ての検討項目(遅れが生じている部分も)を実施しその実験経費を次年度に計上する予定である。
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