2018 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the reaction process of the pigmentation in alkaptonuria, and development of rapid diagnosis of alkaptonuria
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18K19185
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
倉持 幸司 東京理科大学, 理工学部応用生物科学科, 准教授 (90408708)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | アルカプトン尿症 / 重合反応 / 二量化 |
Outline of Annual Research Achievements |
希少疾患アルカプトン尿症は先天代謝異常症のひとつで、ホモゲンチジン酸が大量に尿に排泄されることが特徴である。アルカプトン尿症の臨床症状として、尿の黒変化や関節への黒色色素の沈着などが観察されるが、それらはホモゲンチジン酸の重合が原因だと考えられている。本研究では、ホモゲンチジン酸の重合反応の全容を解明して、アルカプトン尿症の診断や治療に応用することを目標とした。まずはホモゲンチジン酸の酸化二量化反応を開発し、その反応をアルカプトン尿症の迅速診断に応用することを第一目標として研究に取り組んだ。 本年度、モデル化合物を用いたキノン二量化反応を開発した。モデル化合物としてビタミンK3(2-methyl-1,4-naphthoquinone)を基質に用いて条件検討をした結果、イオン性液体中130℃で処理すると、1-methylKuQuinoneが得られることを見出した。1-MethylKuQuinoneは特異な光化学・電気化学特性を有する化合物として知られている。さらにこの反応では、反応溶液が黄色から鮮やかな赤色へと変化することを見出した。同様の反応は他の1,4-ナフトキノンを基質としても進行することを確認した。また、本基質となるホモゲンチジン酸及びその酸化物の合成にも取り組んだ。これら化合物は非常に不安定であり、反応条件を厳密にコントロールして分解を防ぐ必要があった。1,4-ジメトキシベンゼン誘導体の酸化条件を詳細に検討し、これら化合物を安定に合成する方法を確立した。次年度にイオン性液体中の反応を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ビタミンK3のイオン性液体中での新規二量化反応の開発に成功した。また、その二量化反応のメカニズムを分子レベルで解明することに成功した。現在、これら研究成果を論文にまとめている段階である。この反応で溶液の色が黄色から鮮赤色へと変化することを見出した。同様の反応がホモゲンチジン酸で進行すれば、ホモゲンチジン酸の検出ひいてはアルカプトン尿症の診断に応用できる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度にホモゲンチジン酸及びその酸化物の合成に成功している。合成したホモゲンチジン酸及びその酸化物を二量化反応の条件にふし、生成物を同定することを目標とする。この反応で色調の変化もしくは発光が確認できれば、ホモゲンチジン酸の検出ひいてはアルカプトン尿症の診断に応用できる可能性が高い。 一方、ホモゲンチジン酸の重合反応を阻害する物質は、アルカプトン尿症の臨床症状を抑える作用が期待できる。したがって、開発した二量化反応を阻害する物質を探索し、治療薬候補を選別する。
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Causes of Carryover |
次年度、ホモゲンチジン酸を用いた二量化反応を入念に検討する必要があるため、これら経費は次年度に使用する。
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